PCTやお遍路、国内登山で使用してきたモンベルの寝袋を紹介します。登山用寝袋の中でも、3シーズン用の化繊寝袋です。今回紹介するのおは「モンベルシームレスバロウバッグ#3」になります。
化繊寝袋を検討している人の参考になればと思います。
モンベル シームレスバロウバッグ#3を半年使った結論
結論から言うと、モンベルのシームレスバロウバッグ#3は価格・耐久性・安心感を重視すれば満足できます。一方で、軽さや収納サイズを最優先する人にはダウン寝袋の方が向いています。
- 0℃付近まで安心して眠れた
- 半年毎日圧縮してもロフトがほとんど潰れなかった
- 雨や結露でも安心感が高かった
- 収納サイズだけはかなり大きい
PCT約3000km、お遍路、国内登山で使用した経験から言えば、十分おすすめできます。
| 使用場所 | 最低外気温 | 評価 |
|---|---|---|
| PCT砂漠 | 約25℃ | 暑いくらい |
| 高山キャンプ | 5℃ | 快適 |
| PCTシエラ | 0℃ | 快適に就寝 |
| PCTシエラ | -8℃ | 創意工夫で就寝可能 |
| お遍路 | 秋 | 十分快適 |
| 国内縦走(2000m程度) | 春・夏・秋 | 春秋は対策すれば使える |
※※僕はダブルウォールテントを使用していたので、中の温度はまた変わってきます※※
シームレスバロウバッグ#3は寒くないか?
半年以上使った結論として、カタログスペックは概ね信用できます。特に快適温度5℃は実使用感とも一致しており、0℃付近でも問題なく就寝できました。一方で氷点下では防寒着や高R値マットなど、スリーピングシステム全体での工夫が必要になります。
| 環境 | 最低温度 | 対策 |
|---|---|---|
| 夏山 | 10℃ | 快適 |
| 高山テント泊 | 5℃ | 快適 |
| PCTシエラ | 0℃ | 肌寒い・着込む |
| PCTシエラ | -8℃ | 着込む・ダブルウォールテント |
| 冬山 | -10℃ | 使えない・凍死の可能性あり |
正直なところ、-8℃環境での使用は想定以下での使用です。テント内にいる事、対策を十分しているとはいえマズいです。
シームレスバロウバッグ#3が寒いと感じるか?
寒いかどうかに関して、自分の実体験をもとに表にまとめてみました。簡単にですが、次のような印象を持っています。
| 外気温 | 使用環境 | 僕の使用感 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 10℃前後 | ダブルウォールテント | 暑く感じることもある | 夏山向き |
| 5℃ | ダブルウォールテント | 快適 | ◎ |
| 0℃前後 | ダブルウォールテント | 軽度の対策で就寝 | 〇(△) |
| −5℃前後 | ダブルウォールテント | 防寒対策が必要 | × |
| −8℃ | ダブルウォールテント | 使用をおすすめしない | × |
| −10℃以下 | ダブルウォールテント | 使用をおすすめしない | × |
化繊寝袋とロングトレイルの相性
長期間のロングトレイルでは結露や雨、湿気によって寝袋が濡れることは珍しくありません。それでも保温力が大きく低下することはなく、半年間毎日圧縮して使用した現在でもロフトはしっかり維持されています。
半年間、毎日ザックの底で圧縮され続けました。それでも帰国後に広げると、ロフトは大きく失われておらず、購入当初との差はほとんど感じませんでした。「化繊はすぐヘタる」という印象を持っていましたが、この寝袋は良い意味で期待を裏切ってくれました。
一方で、収納サイズは大きめで、UL(ウルトラライト)志向の人には少し扱いづらい寝袋でもあります。
他のPCTハイカーが使用していた寝袋
約半年歩いて感じたのは、
・ダウン寝袋
・ダウンキルト
この2種類だけと言っていいほどでした。僕が出会った化繊寝袋ユーザーは僕を含め4人だけ。逆に言えば、世界中のロングトレイルでは軽さ・収納性を優先する人が圧倒的多数ということです。
ただ、僕は今でも「化繊を選んで失敗したな」という感覚はありません。重たいけどこれで良かったなと、そう思います。
化繊寝袋を使いたい理由
僕らが化繊寝袋を使用したいた理由は、長期間歩く以上、多少重くても「濡れても眠れる」という安心感を優先した人が多かった印象です。実際に意見を集めると、「金額の差」と「重量を気にしない事」、「もともと所有していたものが化学繊維だったから」という内容が一致していました。PCTに向けて新調した人たちは、まず間違いなくダウンを購入していました。
モンベルシームレスバロウバッグ#3のレビュー
僕が実際に使用してきた登山用3シーズン寝袋として、モンベルのシームレスバロウバッグ#3があります。今回は、この3シーズン用登山寝袋をレビューしていきます。

モンベルシームレスバロウバッグ#3について
最初にカタログスペックを紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | モンベル シームレスバロウバッグ #3 |
| 素材 | エクセロフト(化繊) |
| 重量 | 約933g |
| 快適温度 | 5℃ |
| 使用可能温度 | 0℃ |
| 適応身長 | 183cmまで |
| 収納サイズ | 約Φ17×34cm(実測・公式値に合わせて記載) |
| ジッパー | 左右選択可能 |
| おすすめ用途 | 夏山・縦走・お遍路・ロングトレイル |
身長が180cm以上ある場合には、シームレスバロウバッグ#3ロングサイズを選ぶことができます。僕は身長が175cm程度ですが、頭側の生地が少し余ります。
モンベルシームレスバロウバッグ#3は寒い?
一番気になるのは「本当に0℃まで使えるのか」という点ではないでしょうか。
実際に僕はPCTで0℃前後の夜を何度も経験しましたが、この寝袋だけでも問題なく眠ることができました。もちろん寒さの感じ方には個人差がありますが、ISO23537に準拠した快適温度5℃という表記は、実際の使用感とも大きな差はありませんでした。
一方で、シエラネバダでは最低気温が氷点下8℃まで下がったこともありました。この環境ではさすがに寝袋単体では寒さを感じましたが、インナーシュラフや衣類、テント内環境を組み合わせることで朝まで眠ることができています。
つまり、「氷点下でも暖かい寝袋」というよりは、「ガチガチに工夫すれば対応できる寝袋」という評価が正しいでしょう。
逆に言えば、3シーズン用化学繊維寝袋としては十分な性能を持っており、夏山縦走やお遍路、ロングトレイルであれば安心して使用できる寝袋だと思います。
半年間使って感じた化繊寝袋の本当のメリット
PCTではほとんどのハイカーがダウン寝袋を使用していました。軽量で収納性にも優れているため、長距離ハイキングではダウンが主流です。それでも僕が化繊寝袋を選んだ理由は、「濡れても安心だから」です。
ロングトレイルでは、結露や夜露、大雨、汗などによって寝袋が湿ることは珍しくありません。実際に僕も、夜中の雨や結露で寝袋が濡れる経験を何度もしました。それでもシームレスバロウバッグ#3は保温力が大きく低下することはなく、翌日には乾きやすいため精神的な安心感がありました。
また、半年近く毎日ザックの底で圧縮していましたが、現在でもロフトはしっかり維持されています。帰国後の現在でも大きなヘタリは見られず、長期間使用する寝袋として十分な耐久性があると感じています。「多少雑に扱っても問題ない」という安心感は、化繊寝袋ならではの大きな魅力だと感じています。
寝袋の伸縮性は期待しない事
この寝袋にある伸縮性は、そこまで期待できません。正直、寝返りには十分ですが、「ストレッチ寝袋」を期待すると少し肩透かしかもしれません。最低限、特殊な縫い方による伸縮性を実感することはあります。
モンベルシームレスバロウバッグ#3を使う工夫
この寝袋は3シーズン用の登山寝袋としては優秀です。ただ、使用するには、テントやスリーピングシステムでの工夫は必須です。シームレスバロウバッグは、やはりスリーシーズンという事もあり春先などでは次のような工夫が有効です。
- R値の高いマットを使用すること
- 二重構造のテントを使用する
- インナーシュラフを使用する(肌触り面の改善)
- 寝る時の服装
特に、寝る時の服装には注意しましょう。着込んで寝ればよい、という事はありません。適切な服装で眠ることが重要です。
インナー寝袋のすすめ
インナー寝袋を使用する理由は、寝袋の汚れ防止です。ロングトレイルでは、足先が泥まみれになりテント内でそれを落として就寝します。そのため、長期間寝袋を使用すると汚れが気になります。
モンベルシームレスバロウバッグ#3の評価と感想
評価としては十分お勧めでる、という評価です。記載されている通りの性能を誇り、寝る分には十分なストレッチ性能です。風が強い日には少し寝袋内に風が入る所が気になりました。カウボーイスタイルなど殆どしませんが、肩口やジップ回りから風が入り込みます。
化繊用寝袋であるが、5℃程度でも十分暖かく快適に使用することができました。使用したマットは、FPマットでR値は恐らくですが1から2程度のモノです。あまり良くないR値のマットですが、寝心地は良かったです。
収納サイズは想像以上に大きい
この寝袋を半年以上使用していて、一番気になった点は収納サイズです。
重量は約1kgなので数字だけ見ると極端に重いわけではありません。しかし、実際に困るのは重量よりも収納時の大きさです。ダウンの寝袋であれば、30L~40L程度で済みますが、残念ながら60L程度の寝袋が必要になります。
収納時の問題
- スタッフサックを使用すると、ザック下部の占有量が増える
- 持ち運べる食料や水が限られる
- 結果的にザックが大きくなる
- 外付けを検討しなければならない
- パッキングが面倒になる
- 空気をしっかりと抜くのに時間がかかる
ロングトレイルでは装備全体の容量が重要になるため、この寝袋を選ぶ場合はワンサイズ大きなザックが必要になるケースもあります。
UL(ウルトラライト)装備を目指す人や、小型ザックで縦走したい人には、この収納サイズは最大のデメリットと言えるでしょう。
同じ3シーズン用でもダウンより対応温度は不利
シームレスバロウバッグ#3は十分暖かい寝袋ですが、同じ重量帯のダウン寝袋と比較すると保温性能ではどうしても不利になります。
化繊は濡れに強い反面、保温性能あたりの重量や収納性ではダウンに及びません。
そのため、同じ3シーズン用寝袋でも、ダウン寝袋の方がより低い気温まで対応できる製品が多く、使用できる季節や標高の幅も広くなります。
一方で、雨や結露が多い環境では化繊ならではの安心感があります。
どちらが優れているというより、「軽さと保温性を取るならダウン」「耐久性や扱いやすさを取るなら化繊」という考え方で選ぶのがおすすめです。
登山用3シーズン寝袋について
最初に、3シーズン用の寝袋の特徴や寝袋の選び方に関して簡単に紹介します。寝袋を選ぶ際には値段や最低対応温度に視線が行きがちですが、しっかりと選びましょう。

3シーズン用寝袋の選び方
登山だけではなくキャンプなどでは、布団の役割を果たします。登山用3シーズン寝袋を選ぶのは簡単ではありません。登山用の寝袋を選ぶ際には次のような観点を気にした方がいいと思います。
- 対応可能温度の評価について
- 素材と肌触り
- 寝袋の形状
- 自分が持っているマットのR値
- ある程度余力のある寝袋を選ぶ
このようなところを意識しましょう
リミット温度は信用しない
寝袋には、Limit温度があります。これは、一般的に代謝が高く、 寒さに対する耐性が 高い人が、 寝袋のなかで丸まった状態で寒 さを感じることなく睡眠ができるとされる温度とされています。基本的に寝袋は快適温度を信じるべきで、この限界温度は信じないようにしましょう。
また、Limitの下にはextreme温度があります。この温度域になると、低体温症になります。
化学繊維寝袋かダウンの寝袋か
簡単に表にまとめておきますが、下記のとおりです。正直、化繊よりもダウンの方が圧倒的なスペックを誇ります。
| 比較 | 化繊 | ダウン |
|---|---|---|
| 濡れ | ◎ | △(多くの場合生地で対策) |
| 重量 | △ | ◎ |
| 収納 | △ | ◎ |
| 価格 | ◎ | △(化繊の3倍くらい) |
| 耐久 | ◎ | ◎(抜けた羽を追加すればいい) |
| 乾きやすさ | ◎ | △ |
今買い替えるならダウンにするか
国内登山や、高所が続くようなロングトレイルではダウンを使用します。正直、これよりも大きな寝袋であればザックが大きくなりすぎてしまうからです。一方で、PCTやある程度気温の分かっているロングトレイルであれば、僕はまた同じようにシームレスバロウバッグを持っていきます。
僕がモンベルシームレスバロウバッグ#3を使用する理由

僕がこの寝袋を選択したのは、単純に安くてISO規格と同じ方法で快適温度を測定しているからです。そして、化学繊維の寝袋であればある程度濡れても大幅に性能を劣化させることがないというのも大きな理由でした。一般的に、ダウンの寝袋よりも悪環境で使用しやすく、長期の利用に適していると考えました。雨にぬれたり多少乱暴に扱っても何も気にしなくてもいいのは、とても簡単で良かったです。
実際にPCTで利用してみると化学繊維を使用している人は1割にも満たないごく少数でした。ダウンを使用している方々の話を聞くと、水没しなければ問題ないという事です。テントに穴が開いたり、大雨で陥没した場所に水がたまったり、川の上にテントを張らなければ水没しません。実際の所は、あまり化繊もダウンも気にしなければいいのでしょう。
おすすめする人・お勧めしない人
おすすめな人
- 初めて登山用寝袋を買う人
- 夏山・縦走・お遍路を楽しみたい人
- 雨や結露に強い寝袋が欲しい人
- コストパフォーマンスを重視する人
おすすめしない人
- UL装備を目指す人
- 冬山をメインに使う人
- とにかく収納サイズを小さくしたい人
| 良かった点 | 気になった点 |
|---|---|
| 濡れに強い | 収納サイズが大きい |
| 耐久性が高い | 約1kgと重め |
| ISO規格相当で温度表記が信用できる | ダウンより保温重量比は劣る |
| メンテナンスが楽 | UL志向には向かない |
| コストパフォーマンスが高い | 足元はやや狭い |
こんな条件の人にお勧め
具体的に化繊寝袋は次のような寝袋を捜している人にお勧めです。
| あなたの目的 | おすすめ度 |
|---|---|
| 初めて登山用寝袋を買う | ★★★★☆ |
| 夏山縦走 | ★★★★★ |
| お遍路 | ★★★★★ |
| ロングトレイル | ★★★★☆ |
| 冬山 | ★☆☆☆☆ |
| UL装備 | ★☆☆☆☆ |
| オートキャンプ | ★★★★☆ |
シームレスバロウバッグのFAQ
ここでは簡単にFAQに回答をしていきましょう。個人的な見解もありますので、参考までにとどめておいてください。
バロウバッグは洗濯が可能か
可能です。実際に、PCTを終えた後と、四国お遍路を終えた後には洗濯機で洗濯を行いました。ただ、洗濯機で行う場合は、綿が偏る事の無いように脱水処理をしないなどの工夫が必要です。
女性でも利用することができるか
人による、という回答になります。正直、身長が165cmに満たない方であれば、足元が空きすぎてもったいないかと思います。女性モデルのあるタイプの寝袋を使用した方が、効果的で効率的です。
バロウバッグ#3と#2はどちらが良いか
個人的には#3がおすすめです。これくらいであれば、ザックに押し込むことを検討し実行します。一方で#2になると収納サイズも一気に膨らんでしまうため、正直なところお勧めはできないです。登山やハイキングで考えるのであれば、氷点下以下での睡眠を前提とするのならダウンがおすすめです。
ダウンと迷うならば?
ダウンと迷うならば、ダウンを購入しましょう。ダウンを検討できる程の資金的余裕があれば、長期的に見てもダウンの寝袋がおおすすめです。
シームレスバロウバッグ#3は冬山でも利用できる?
正直なところ苦しいですね。僕はPCTで外気温-8℃で寝てしまっていますが、ダブルウォールテントを使用して、テント内で火気を使用しテント内を温めています。そのため眠れましたが、これを前提としてシームレスバロウバッグ#3を冬山でも使う、といわれると厳しいです。-10℃になると絶対に眠れないし、場合によっては凍死の可能性もあり得ます。
シームレスバロウバッグ#3は寒い?
正直なところ、利用状況によっては寒いです。氷点下以下で使用することを考えると、寒いので使用をすすめることはできません。
スリーシーズンの寝袋ですが、秋や春の降雪時期や残雪期に標高の高い山に行くと、十分以上の性能は得られないでしょう。寒いか寒くないかという問いに葉対しては、正直寒いとしか言えないですね。
まとめ
今回は、登山用の3シーズン寝袋であるモンベルシームレスバロウバッグ#3を紹介しました。登山用3シーズン寝袋を選ぶのは難しいです。自分の使用しているモンベルシームレスバロウバッグ#3は化繊寝袋としては非常によくできていると思います。金銭的に余裕がないのであれば、十分におすすめできるものです。
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