登山を始めた頃の僕は、「シャツもズボンも全部モンベルで揃えなければ危険なのではないか」と思っていました。登山用品店へ行けば、高機能なウェアが並び、雑誌やインターネットでも「レイヤリングが重要」「専用品を揃えよう」と書かれています。
だから、「全部買わなければいけない」と思ってしまいます。
ですが、PCTを4200km歩き、四国遍路を歩き、日本各地で縦走やロングトレイルを重ね、6000km以上歩いてきた今の僕の考えは全く違います。服装は全部専用品である必要はありません。
もちろん冬山は別です。しかし、日帰り登山や一般的な縦走であれば、お金を掛けるべき場所は限られています。僕が重要だと思っているのは、たった二つです。
・肌に接する部分
・肌を守る部分
この記事では、6000km歩いた経験から「本当にお金を掛けるべき服装」と「無理に専用品を買わなくても困らない服」を紹介します。
結論;ベースレイヤーに金をかける
個人的には、スリーシーズンに限って言えばベースレイヤーにしっかりとお金をかけていれば十分であると思います。今から買うなら、次のような順番で購入すると思います。
| 順番 | 買うもの | 理由 |
|---|---|---|
| ① | 登山靴 +靴下 | 足元を固める |
| ② | レインウェア | 天候・体温対策 |
| ③ | ベースレイヤー | 行動着の基本 |
| ⑤ | 防寒着 | ダウンなどを揃える |
あくまでウェア(身に着ける物)関係のみですが、僕であればこの順番になると思います。下着やミドルウェアに関しては、最後になりますね。
登山初心者の服装優先順位早見表
| 優先順位 | アイテム | お金を掛けるべき? | 理由 |
|---|---|---|---|
| ★★★★★ | ベースレイヤー | ◎ | 汗冷え・臭い・汗疹・快適性を大きく左右する |
| ★★★★★ | 登山靴 | ◎ | ケガ防止・歩きやすさに直結する |
| ★★★★★ | レインウェア | ◎ | 雨だけでなく防寒着としても使える |
| ★★★★☆ | 長袖・長ズボン | ○ | 紫外線・虫・枝・岩から肌を守る |
| ★★★☆☆ | ザック | ○ | 荷物が増えるまでは最低限でも十分 |
| ★★☆☆☆ | フリース・ダウン | △ | 冬山以外なら手持ちでも代用可能 |
| ★☆☆☆☆ | 高級ブランドのパンツ | × | 初心者には優先度が低い |
登山初心者が知っておきたい服装の基本

まずは登山ウェアの基本だけ押さえておきます。登山では「レイヤリング(重ね着)」という考え方が基本になります。役割ごとに服を重ねることで、暑ければ脱ぎ、寒ければ着るという体温調節を行います。
基本は3層です。
レイヤリングシステムとは?
「レイヤリングシステム」とは、役割の異なる衣服を重ね着することで体温と湿度をコントロールし、登山中の快適さと安全を保つ仕組みのことです。
山は標高や天候によって気温が急激に変化します。また、歩いて汗をかいた後に立ち止まると、体が冷えて体力を奪われる危険もあります。そこで、1着で対応するのではなく、脱ぎ着しやすい服を組み合わせて「汗を逃がす」「温かさを保つ」「風雨を防ぐ」といった機能を状況に応じて調整します。
こまめに着脱して体温を最適に保つことが、疲労を防ぎ安全に歩くための大切なポイントです。
ベースレイヤー
汗を吸い、肌を素早く乾かすための服です。肌に直接触れるもっとも重要なウェアになります。このベースレイヤーを着る事で、肌表面の汗を吸着し拡散します。拡散された汗は、さらに上に着ている服へと移り、外界へ届いていきます。
ミドルレイヤー
一般的には、保温するための服です。冬山をする時は、このミドルレイヤーが重要になります。夏山などでは、ベースレイヤーの上に着るシャツや、フリースなどになります。薄手の化繊ジャケットなども該当します。ミドルレイヤーはわりと高価であるため、再購入などは手間になります。ただ、種類も多いです。
アウターレイヤー
風や雨から体を守るためのウェアです。一番外側で、時には雹や霰から身を守ってくれます。一般的にはレインウェアがこれにあたります。そして、このアウターレイヤ―が一番高価になりますので、選ぶ際には注意が必要です。また、アウターに関しては、冬山でも重要で、単なるレインウェアとは異なり専用品があります。
初心者向けの記事では、この3つ全てにお金を掛けるよう書かれていることもあります。しかし僕自身は、ここまで歩いてきて違う考えになりました。
登山ウェアは全部買う必要はない
僕はPCTでも、お遍路でも、日本の縦走でも、シャツやズボンにそこまで強いこだわりを持っていません。速乾性があり、動きやすければ十分です。登山を始めた頃は、「そのうちパンツもシャツも全部モンベルに変えるんだろうな」と思っていました。
ですが実際には、そんな日は来ませんでした。むしろ歩けば歩くほど、妥協するところが浮き彫りになってきます。「ここは別に何でもいいな」という部分と、「ここだけは絶対に妥協できない」という部分がはっきり分かれるようになりました。
初心者の方は、最初から全部揃えようとすると、10万円近い出費になることもあります。ですが、そのほとんどは最初から必要ではありません。限られた予算だからこそ、本当に価値のある部分へ投資した方が満足度は高くなります。
僕がお金を掛けるのは「肌に接する部分」
6000km歩いてきて、一番違いを感じるのがベースレイヤーです。ここだけは妥協しない方が快適になります。理由は非常にシンプルです。汗をかく量が尋常ではないからです。
長時間歩いていると、夏はもちろん春や秋でも大量に汗をかきます。冬場の低体温症の原因の一つに、汗冷えなんてものもあります。それくらい、汗対策というのは重要なのです。
その汗を素早く乾かせるかどうかで、一日の快適さが大きく変わります。乾きが遅い服は、
- 体が冷える
- ベタつく
- 汗疹ができる
- 歩いていて気持ち悪い
- 翌日も不快感が続く
- 臭いが付いて取れなくなる
という状態になります。逆に良いベースレイヤーは、汗をかいても肌がさらっとしていて、不快感がかなり減ります。
これは何日も歩くロングトレイルになるほど差が大きくなります。だから僕は、シャツよりもベースレイヤーへお金を掛けます。「全部専用品を買う」のではなく、「肌に触れる部分だけは良いものを選ぶ」という考え方です。
ユニクロやワークマンがどこまで通じるのか?
| アイテム | ユニクロ・ワークマン | 登山用品がおすすめ |
|---|---|---|
| ベースレイヤー | △ 短時間なら可 | ◎ 縦走・高山では必須 |
| パンツ | ○ | ○ どちらでも可 |
| 長袖シャツ | ○ | ○ UV性能重視ならどちらでも可 |
| ダウン | ○ 日帰りなら十分 | ◎ 軽量化したい場合 |
| フリース | ○ | ○ ほぼ差は少ない |
| レインウェア | △ | ◎ 登山用品を推奨 |
| 靴 | × | ◎ 必須 |
ベースレイヤー以外は無理に専用品を揃える必要はない
僕が登山を始めた頃は、「そのうちシャツやズボンも登山専用品に買い替えなければならない」と思っていました。登山を続けていけば、全身モンベルやパタゴニア、ファイントラックのウェアになるものだと考えていたのです。
実際にPCTを約4,200km歩き、お遍路や国内の縦走を合わせて6,000km以上歩いてきた今、考えはまったく変わりました。
- ベースレイヤー(肌に直接触れる服)
- 肌を守る服(長袖・長ズボン・レインウェアなど)
この2つだけ、まずはしっかりと費用をかける。逆に言えば、それ以外は極端な話、そこまで高価なウェアである必要はありません。例えばダウンジャケット。
「登山用の超軽量ダウンじゃないとダメ」と思われがちですが、冬山へ行かないのであれば市販のダウンでも十分暖かいです。厳冬期は、専用品でないと耐えられない場合があります。
安物ベースレイヤーはキツイ
僕はワークマンの冷感インナーなどを使用してきましたが、やはりモンベルなどの専門品と比べると乾きやストレッチ性能で劣るように感じます。大きく体を動かすときに微かに感じる抵抗が、かなり厄介です。
専用品は小さくて高性能が売り
登山用ダウンの方が軽く、小さく収納できます。そして、一般用と比較すると性能が高いことがあります。費用相応に、高性能なダウンを入手できます
しかし、それは快適性や軽量化の話です。重量や収納サイズをそこまで気にしないのであれば、無理に数万円するダウンを買う必要はありません。極端な話、ユニクロのウルトラライトダウンで十分です。
僕自身、海外ロングトレイルでは軽量化を重視するため登山用ダウンを使っています。ですが、日本の日帰り登山であれば市販品でも十分だと感じています。
パンツ(ズボン)も登山用ではない
ズボンも同じです。ストレッチ性があり、動きやすく、速乾性があれば必ずしも高価な登山パンツでなくても歩けます。PCTや国内縦走は、適当な短パンで歩いています。ただ、冬山や雪山に行く際には、しっかりとした登山用の長ズボンを着用しています。
日焼け対策は必用
日焼けは、一度してしまうと肌が爛れたり激しく痛んだりします。真っ赤に腫れ上がり、何かが擦れるだけでも激痛を感じ、数日間苦悩することになります。この対策方法は、日焼け止めをするか、日焼け対策でタイツのようなものを着用するなどがあります。ここら辺は、個人的に安物でもいいのでしておくべきであると思います。
僕も普段は必要以上にウェアへお金を掛けません。本当にお金を掛けるべき場所だけに投資し、それ以外は合理的に考えています。
帽子は風で飛ばないものを
日差し対策で帽子を着用しますが、風で飛ばないようにしましょう。顎紐が付いているタイプもありますが、ネックゲイターなど対策することもできます。また、強風が吹くとアジャスター(長さ調整部分)が破損することがあります。
僕がこだわる部分

ここからは、僕が個人的にこだわっているウェアの箇所を紹介します。基本的には、ベースレイヤー、ミドル、下着類の話です。結構基本的な事から、個人的な事情までお話していきます。
今の僕ならこうする
| 部位 | おすすめ |
|---|---|
| 上半身 | 速乾ベースレイヤー |
| 下半身 | 速乾パンツ + タイツ |
| 靴 | 登山靴 or トレランシューズ |
| 帽子 | スポーツキャップ |
| 首元 | ネックゲイター |
| 手 | なし |
基本的にはこのような形になります。
夏でも長袖・長ズボンを着る理由
「夏なのに長袖なんて暑そう。」
そう思う人は少なくありません。ですが、僕は真夏でも長袖・長ズボンで歩くことがほとんどです。理由はシンプルで、自分の肌を守るためです。
- 強烈な紫外線
- 木や枝による擦り傷
- 虫刺され
- 岩場での擦過傷
など、肌へのダメージが非常に多くあります。一度日焼けすると体力も大きく奪われます。日焼けは火傷と同じです。
長時間歩くロングトレイルでは、それだけで疲労度が大きく変わります。もちろん暑さはあります。虫暑くて嫌になりますが、着用しています。最近の薄手長袖は風も通しやすく、直射日光を防いでくれるため、意外と快適です。
汗が蒸発するときの気化熱によって体温もある程度下がります。むしろ半袖で直射日光を浴び続ける方が暑いと感じる日もあります。
だから僕は、「肌を守るための長袖」という考え方をしています。
具体的な対策に関して
具体的には、ミドルレイヤーで長袖シャツを着用する方法と、ベースレイヤーで対策してしまう方法があります。僕の場合は、年中ベースレイヤーで対策を施しています。長袖のベースレイヤーを着用し、その上にTシャツを着ている感じですね。
ズボンに関しては基本が短パンでその下に、日焼け防止用にタイツなどを着用しています。PCTでは、モンベルのタイツを持ち込みましたが道中の棘などでぐちゃぐちゃになりました。
綿100%だけはおすすめしない
僕は服装について比較的自由な考え方をしています。ですが、一つだけ避けてほしい素材があります。
綿100%です。
綿は汗を大量に吸います。しかし乾くのが非常に遅い素材でもあります。一度汗をかくと服が重くなり、肌に張り付きます。風が吹けば一気に体温を奪われます。
これが汗冷えです。
さらに真夏では大量の汗を含んだ服が重くなり、不快感も大きくなります。登山では歩く時間が長いため、この差は想像以上です。普段着では問題なくても、何時間も歩き続ける登山ではデメリットが目立ちます。
ポリエステルやメリノウールなど、乾きやすい素材を選ぶだけで快適さは大きく変わります。「綿100%だけは避ける。」これだけ覚えておけば、大きな失敗は少なくなるでしょう。
下着こそ快適性を左右する
意外と見落とされがちですが、僕は下着も快適性を左右する重要なウェアだと思っています。理想を言えば、メリノウール製の下着がおすすめです。臭いが付きにくく、何日も歩く縦走やロングトレイルでは本当に快適です。
ただし、モンベルの薄手モデルは耐久性が少し気になりました。僕は何度か破れてしまった経験があります。購入するなら中厚手モデルの方が安心です。もちろん他メーカーでも問題ありません。
実際のところ、現在の僕はワークマンの速乾下着を使っています。汗疹は多少できます。正直、改善のしようはあるのではないか、と思っています
ですが僕の場合、汗疹ができる場所は下着ではカバーできない部分だったため、「これは仕方ない」と割り切るようになりました。価格を考えると十分満足しています。
なお、女性の場合は少し事情が異なります。登山用ブラジャーは長時間歩いたときの快適性がかなり違うと聞きます。胸の揺れを抑えられるだけでなく、汗処理や擦れ防止にも効果があります。
男女で最適な下着は異なりますが、「肌に直接触れるものほど快適性に投資する」という考え方は共通していると思います。
下着選びのポイントと注意点
| 種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| メリノウール | 臭いにくい・快適 | 高価 |
| ポリエステル | 安価・乾きが速い | 臭いやすい |
| 綿 | 安価 | 汗冷え・乾かない |
注意点としては、最低限ポリエステルにしたいところ、という所です。流石に綿は蒸れます。
僕が考える服装選びの優先順位

もし予算が限られているなら、僕なら次の順番でお金を掛けます。
- ベースレイヤー
- 登山靴
- レインウェア
- ザック
- 肌を守る長袖・長ズボン
- その他のウェア
シャツやパンツを高価なブランドで揃えるよりも、まずは肌に触れる部分を快適にする方が満足度は高くなります。
実際に僕も、その考え方で6,000km以上歩いてきました。
高価なウェアを揃えなくても登山は十分楽しめます。
大切なのは、「何にお金を掛けるべきか」を知ることです。
服装選びで迷ったら、まずはベースレイヤーだけは妥協しない。
そして、それ以外は自分の登山スタイルや予算に合わせて少しずつ揃えていけば十分だと僕は思っています。
季節別|登山初心者のおすすめ服装
ここまで読んで、「じゃあ実際には何を着ればいいの?」と思う人もいるでしょう。そこで、僕ならどういう服装で歩くのかを季節ごとに紹介します。基本的には下記表のようになります。
| 季節 | ベースレイヤー | ミドル | 防寒着 | レインウェア |
|---|---|---|---|---|
| 春 | 長袖速乾 | フリース | ○ | 必須 |
| 夏 | 半袖・長袖速乾 | シャツ | △ | 必須 |
| 秋 | 長袖速乾 | フリース | ○ | 必須 |
| 冬(一般登山) | 中厚手ベース | フリース | ダウン | 必須 |
もちろん山域や標高によって変わりますが、多くの初心者が歩く日帰り登山を想定しています。
春・秋の日帰り登山
春や秋は一番服装選びが難しい季節です。
朝は寒く、昼は暑くなり、山頂ではまた寒くなります。
だから大切なのは、「暖かい服を着ること」ではなく、「脱ぎ着しやすいこと」です。
僕なら次のような服装を選びます。
- ベースレイヤー(速乾性インナー)
- 薄手の長袖シャツ
- 軽いフリース
- レインウェア
- 長ズボン
歩き始めは寒くても、30分も歩けば暑くなります。
汗をかき始めたらすぐにフリースを脱ぎます。
汗をかいてから脱ぐのでは遅いです。
少し暑いかな、と感じた段階で調整するのが汗冷えを防ぐコツです。
夏山・低山ハイキング
夏になると半袖の人も増えます。
ですが、僕は長袖・長ズボンを選ぶことがほとんどです。
理由は何度も書いているように、
- 日焼け防止
- 虫対策
- 擦り傷防止
この3つです。
服装はシンプルです。
- ベースレイヤー
- 薄手の長袖シャツ
- 長ズボン
暑ければ袖をまくればいいだけです。
最近はUVカット性能のある薄手シャツも増えています。
暑さ対策というより、「肌を守る」という考え方で服装を選ぶようになりました。
標高が高い山・縦走
アルプスや縦走になると少し話が変わります。
標高が2,500〜3,000m近くになると、真夏でも気温はかなり低くなります。
風も強くなります。
だから、
- 良いベースレイヤー
- 保温着
- 防水レインウェア
この3つは妥協したくありません。
僕自身、ロングトレイルではこの3点だけは品質を重視しています。歩いている時間よりも、休憩時間や山頂で寒さを感じることの方が多いからです。寒い時間が続くと、体調不良になります。
夏場は汗を吸った服で冷却
体のオーバーヒートを防ぐ方法に、濡れた服の気化熱を利用する方法があります。一見すると綿100%がいいように感じますが、個人的には化繊とか乾く系の服が良いです。夏場であれば、標高を上げている時に滝のように汗をかき、服が大量に水を吸ってしまうからです。
初心者がやりがちな服装の失敗
僕自身も登山を始めた頃はいろいろ失敗しました。今振り返ると、初心者が失敗するポイントはだいたい共通しています。特に、最初に紹介する「一気に全部揃える」というのは、よくあるミスだと思います。
詳しくは別の記事にて紹介しています。
最初から全部買い揃えようとする
一番もったいないと思うのがこれです。登山用品店へ行くと、「これも必要です。」「あれもあると便利ですよ。」と言われます。もちろん間違いではありませんし、店員さんも善意で教えてくれています。
でも、本当に続けるかどうか分からない趣味に、最初から10万円以上使う必要はありません。
- 登山靴
- レインウェア
- ベースレイヤー
だけ揃えます。あとは歩きながら必要性を感じたら買い足せば十分です。実際、僕もそうやって少しずつ道具を揃えてきました(単に一括購入費用がなかったです)。
暑いからと半袖・短パンで歩く
夏は暑いので薄着になりたくなります。ですが山では、
- 日焼け
- 虫
- 草木
- 岩
など、肌へのダメージが多くあります。結果として長袖の方が快適だった、ということも珍しくありません。暑さだけで服装を決めないことが大切です。
近年の研究では、長袖を着用している方が太陽の光の下では涼しく感じる、という研究もあります。こちら花王の研究ですが、遊牧民の服装などを見ても長袖長ズボンですし間違いないかと思います。
寒くなってから服を着る
初心者ほど、寒くなってからフリースを着ます。ですが、その頃には汗で体が冷えており、正直少し遅いなと思います。服装調整は、もう一歩早く行いましょう。
「少し暑い」、「少し寒い」くらいで行うのが理想です。また、汗をかく前に脱ぐ。冷える前に着る。こうした習慣をつける事で、だいぶ快適度は上がると思います。もちろん、脱げる枚数には限りがありますし、裸になる訳にはいきません。
僕が6000km歩いてたどり着いた結論
登山用品は、高価なものほど性能が良い傾向があります。ですが、高価だからといって初心者全員に必要とは限りません。僕はPCTを約4,200km歩き、お遍路や国内縦走を合わせて6,000km以上歩いてきました。
その中でたどり着いた結論は、とてもシンプルです。「肌に触れる部分」と「肌を守る部分」だけは妥協しない。それ以外は、自分の予算や登山スタイルに合わせて選べばいい。
登山はブランドを身につける趣味ではありません。安全に歩き、自然を楽しみ、自分の時間を過ごす趣味です。だからこそ、高価なウェアを揃えられないことを気にする必要はありません。
まずはベースレイヤーを一枚だけ良いものにしてみてください。きっと、「服ってこんなに違うんだ」と感じられるはずです。その一枚が、これから先も長く山を楽しむための、一番価値のある投資になると僕は思っています。
よくある質問(FAQ)

簡単なFAQに回答していこうと思います。個人的見解も含まれるため参考までにどうぞ。
Q. ユニクロだけで登山はできますか?
低山の日帰り登山であれば、季節次第可能です。
ただし、ベースレイヤーだけは登山用をおすすめします。汗冷えや臭い、快適性が大きく変わるためです。素材は選んで行った方がいいでしょう。
Q. ワークマンのウェアでも大丈夫ですか?
僕自身もワークマンの下着を使っています。シャツなどもワークマンです。
コストパフォーマンスは非常に高いです。ただし、長期間の縦走やロングトレイルでは、より快適なベースレイヤーの価値を感じる場面もあります。装備に困ったら、ひとまず短パンやシャツなどを購入してみるというのは、一つの手段だと思います。
Q. 半袖と長袖はどちらがおすすめですか?
僕は長袖をおすすめします。
日焼けや虫刺され、擦り傷を防げるため、結果的に快適に歩けることが多いからです。僕のようにベースレイヤーで対策するか長袖長ズボンを着用するのか。判断が難しい所ですが、蛇が出る所は長ズボンの方がいいでしょう。
Q. 冬山でもこの記事の服装で大丈夫ですか?
いいえ。
この記事は春・夏・秋の一般登山を対象としています。間違っても、この価値観で10月から3月の間に登山をしないでください。特に、山に雪が降っていれば凍死する可能性もあります。雪山や厳冬期登山では、防寒装備やレイヤリングの考え方が大きく変わります。
Q.レイヤリングは店員に聞いても教えてくれるのか
基本的には、教えてもらう事が可能です。
基本的にはアウトドアショップの店員さんはアウトドア経験者で、彼らも山登りをしています。その知見に基づいて、的確なアドバイスをしてくれます。レイヤリングなども、基礎基本から丁寧に教えてもらえますし、様々なネット記事でも詳細に語ってあります。
Q.結局何から購入するといいの?
ウェアに限った話で言えば「ベースレイヤー」が答えです。余裕があれば「下着」も購入しましょう。
Q.靴下はどのタイミングで購入すると良いのか?
靴下は、登山靴と一緒に購入してください。
基本的に、登山靴を購入する際に登山用の靴下を選定します。理由は、分厚い登山用の靴下で履いた時にちょうどいい靴を購入する為です。そのため、登山靴に合わせて最初は靴下を購入してみると良いと思います。その後、破けたりしたら新しく購入し、そのタイミングで新しいブランドやメーカー、モデルなどを試してみると良いでしょう。
まとめ
- 肌に直接触れる部分は快適性を重視する。
- 肌を守る部分は安全性を重視する。
- 自分に合ったもの選ぶ。
- 最初から完璧な服装を目指す必要はない。
一歩、山を歩いてみてください。実際に歩けば、「自分には何が必要なのか」が少しずつ見えてきます。そして、その経験を積み重ねながら、自分だけの服装を作っていくことが、登山を長く楽しむ近道の一つだと僕は思っています。
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