ネックゲイターは、防寒防風道具だと思われがちですが、実際に6000km以上歩いてみると、一番使用頻度が高い装備の一つでした。PCTでは砂漠、雪山、山火事エリアまで歩き、日本でも低山からアルプスまで使い続けています。
使い方は人それぞれですが、僕が実際によく使っていたのは次の7つです。
- 首の日焼け対策
- 帽子の飛散防止
- ヘアバンド
- マスク(砂埃・山火事)
- 首を冷やす冷却アイテム
- バラクラバ風の防寒
- 耳の日焼け対策
この記事では、カタログでは分からない「歩き続ける人の使い方」を紹介します。
結論|僕が一番使ったネックゲイターの使い方
最初に、僕がよく使った使い方を纏めてみます。僕が6000km歩いて実際に使った使用頻度や場面は下記表です。
| 使い方 | 使用頻度 | 実際に使う場面 |
|---|---|---|
| 首に巻く | ★★★★★ | 普段の登山・日焼け対策・防風 |
| 帽子の飛散防止 | ★★★★★ | 稜線・強風時・耳と首の日焼け対策 |
| 耳まで覆う | ★★★★☆ | 真夏の稜線・照り返しが強い岩場 |
| マスク | ★★★☆☆ | 砂埃・山火事・乾いた強風 |
| 水で濡らして冷却 | ★★★☆☆ | 高山の夏・沢や水場がある時 |
| ヘアバンド | ★☆☆☆☆ | 帽子を被りたくない時だけ |
| バラクラバ風 | ★☆☆☆☆ | 帽子が汚れた・乾かしたい時の応急処置 |
普段は首に巻いたまま歩き、必要に応じて形を変えることがほとんどでした。
夏山でよく使うネックゲイターの使用方法
ここでは簡単にですが、使用方法を紹介します。自分がよく使用していた方法ですが、一般的なものが多いと思います。

首に巻く|一番基本で一番快適
夏山で最も多かった使い方です。
首は顔と同じくらい紫外線を浴びますが、日焼け止めはザックと擦れてすぐ落ちます。だから僕は、最初から首を隠して歩くようになりました。
薄手のネックゲイターなら息苦しさはほとんどなく、高山では汗が風で乾くため、むしろ涼しく感じる場面もあります。
日焼け対策については別記事で詳しく解説しています。
帽子が飛ばないように固定する
これが意外と便利な使い方でした。
稜線では突風でキャップが飛ばされることがあります。ネックゲイターを帽子の上から耳の後ろへ通し、そのまま首まで下ろすだけで簡易的なストラップになります。
この巻き方には副作用があります。
- 帽子が飛びにくい
- 首の後ろが隠れる
- 耳まで日焼けを防げる
一つで三役こなしてくれるため、風の強いアルプスやPCTではかなり使用頻度が高かったです。
帽子の心配をしない
強風エリアでの心配事の一つは、やはり帽子が飛ばされる事です。帽子がなくなると暑いし、購入すると意外と高価です。アジャスターを強く締めると、頭痛の原因になりますが、この方法ではその全ての問題を解決できました。吹き上げるような強風でも、僕の帽子は飛ばされないのです。
日焼け対策もできる
副次効果でしたが、首元も完ぺきに日焼け対策できていました。おかげで、PCTを歩いていた半年間、実は首周りでの日焼けは少なく、肌が爛れる事もヒリヒリと痛むこともありません。雨風だけではなく、しっかりと日差しもブロックしてくれていました。
耳が守れる
これは期待以上でした。それに、耳に接触することが少なく、不快感や締め付け感がありません。耳を守る方法はハットか日焼け止めしかないと思っていましたが、これは想定外でした。耳の裏や耳たぶなども完ぺきに覆われるため、日焼けとは無縁の生活をおくれます。(皮膚や少し焼けます)
ヘアバンドとして汗を止める
前髪が長い人なら、ヘアバンドにもなります。額に巻くことで汗が目へ流れにくくなり、視界も快適になります。ロングトレイルをしていると、髪が伸びてくるため休憩中にヘアバンドとして利用していました。
特に真夏は汗がサングラスへ落ちることもあるので、地味ですが効果を感じやすい使い方です。
巻き方・実践方法
- 首元にネックゲイターを
- 背中側を引っ張って、頭頂部まで持ってくる
- 耳がすっぽり覆われるように
- 前側を顎下
このような手順で装着します。場合によっては、顎ではなく首で固定することもあります。
マスクとして砂埃や山火事から口を守る
PCTでは山火事エリアを歩くことがありました。完全に煙を防げるわけではありませんが、砂埃や乾いた風を直接吸い込まないだけでも喉の負担はかなり違います。
砂漠でも同じで、風が強い日は鼻と口まで覆って歩いていました。医療用マスクの代わりにはなりませんが、応急的なフェイスカバーとしては十分役立ちます。
呼吸しずらい
マスクとして使用している時は、フェイスガードのように使用していました。呼吸しずらさがあり、登り勾配がきつい時や、暑い時は正直嫌でしたが、砂漠や乾燥地帯では役立ちました。暑すぎて喉が痛いのですが、保湿できたのかゴミが入らないのか、呼吸しやすかったです。
巻き方・実践方法
- 全体を首元に通します
- 口の下側のネックゲイターを引っ張り、鼻頭まで持ってきます
- 鼻頭にひっかけたら、耳にもかけます
- 好みで、後ろ側を頭頂部まで引く
これは、口元だけではなく帽子が飛ぶのを同時に予防できます。僕は、このコンビで使う事の方が多かったです。口元だけ覆って帽子がなくなると困りますからね。
水で濡らすと首元が冷える
夏山では沢や水場で軽く濡らすこともありました。濡れた生地が風を受けることで気化熱が生まれ、首元を効率よく冷やせます。特に標高1000m前後の場所では、この効果を実感しやすかったです。首周りを冷やせると、ひんやりして気持ちがよかったです。
ただし、日本の蒸し暑い低山では乾きにくく、ベタついてしまうことも偶にありました。
汗の気化熱はよく分からない
正直な話をしたら「気化熱で涼しい」と実感するのは難しいです。必死に歩いているし、放出する汗の量の方が、正直多いようにも感じていました。一日に、何度か汗を絞るようなこともありました。
バラクラバ風に頭へ巻く
帽子が汗で濡れすぎたり汚れたりした時は、無理やり頭へ巻いていました。本来の使い方ではありませんが、伸縮性があるので短時間なら十分実用的です。態々バラクラバ風にするのは、頭と顔を同時守る為です。休憩時間まで帽子を被っていると、偶に頭痛がしていました。
休憩中やテント場で帽子を乾かしたい時にも便利でした。
ネックゲイターでバラクラバをする方法
- ネックゲイターを被り、顔の輪郭に沿う所で止めます。
- 顎元の布を持ち上げて、鼻先まで伸ばします
- オデコ当たりの布を頭頂部くらいまで引き、耳の付け根辺りで織り込みます
- 形を整えたら終了です
文章にするとこんな感じですが、youtubで調べてみると様々な参考動画がありました。
ネックゲイターの使い分けに関して
| シーン | 巻き方 |
|---|---|
| 朝の樹林帯 | 首だけ |
| 稜線 | 帽子固定+耳まで覆う |
| 昼の休憩 | ヘアバンド or バラクラバ or 首 |
| 砂埃 | マスク+帽子固定 |
| テント場 | バラクラバ風 |
| 寒い高山帯 | 帽子固定+マスク+耳を覆う |
僕は基本的にこのような形で使用していました。
実際に使用して感じたデメリットと違和感

正直に言うと、最初は好きではありませんでした。首に何かが触れている感覚が常にあり、汗で濡れるとひんやりして少し気持ち悪いと感じます。でも、その違和感は2〜3日ほど歩くと自然になくなりました。
それ以上に、
- 日焼けしない
- 風が直接当たらない
- 汗を拭ける
- 形を自由に変えられる
という便利さの方が圧倒的に勝ちます。今では登山へ行くなら忘れたくない装備の一つです。
ネックゲイターのデメリット(欠点)
- 最初は首に違和感がある
- 汗で濡れると冷たく感じる
- 真夏の低山では暑い
- サングラスが曇ることがある
- マスクにすると呼吸が難しい
僕がサングラスを使用しなかったのは、実はこの影響もあったのかもしれませんね。
対処法
| デメリット | 対処法 |
|---|---|
| 曇る | 鼻を出す |
| 暑い | 耳まで上げず首だけ覆う |
| 冷たい | 一度絞る・一時的に外す |
| 呼吸 | 鼻頭辺りに隙間を作る |
本来は首元のガードをするだけです。多機能に使うと、やはり専用品ではない無理な場所が出てきます。適宜、自分で対応していく事が重要ですね。
夏山向けの素材
| 素材 | 夏山との相性 |
|---|---|
| ポリエステルメッシュ | ◎ 最もおすすめ |
| 薄手ポリエステル | ○ |
| メリノウール | △ 暑い・乾きが遅い |
夏で何日も使用するとに匂いが気になります。そういった場合はメリノウールがおすすめです。僕は、あまり気にならない為、化学繊維の速乾吸収素材のモノを使用しています。
まとめ|ネックゲイターは「首に巻く」だけではもったいない
僕が6000km歩いて感じたのは、ネックゲイターは用途を限定しない方が便利だということです。
| シーン | おすすめの使い方 |
|---|---|
| 真夏の日差し | 首・耳を覆う |
| 稜線の強風 | 帽子の飛散防止 |
| 汗が多い日 | ヘアバンド |
| 水場がある高山 | 水で濡らして冷却 |
| 砂埃・煙 | マスク |
| 休憩・就寝前 | バラクラバ風 |
一枚でこれだけ使える装備は意外と多くありません。
実際に100日以上使ったモンベルのトレールマルチチューブゲーターのレビューでは、耐久性や生地の質感、メリット・デメリットも詳しく紹介しているので、購入を検討している方はそちらも参考にしてください。
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