PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)を歩くと、多くのハイカーが同じ浄水器を使っていることに気付きます。その代表格が「Sawyer Squeeze(ソーヤースクィーズ)」です。僕自身、PCTでは約3000kmほどSawyer Squeezeを使用しました。それ以前は格安の浄水器を使っていましたが、使い物にならなさ過ぎて買い替えしました。
今回は実際に使用した経験をもとに、Sawyer Squeezeをレビューしていきます。これから浄水器を購入する方や、Katadyn BeFreeなど他製品と迷っている方の参考になれば幸いです。
Sawyer Squeezeはこんな人におすすめ
実際に使ってみて、Sawyer Squeezeは次のような人におすすめできる浄水器だと感じました。
- PCTや四国遍路などのロングトレイルへ挑戦したい人
- 世界中で実績のある浄水器を使いたい人
- 耐久性を重視したい人
- ペットボトルをそのまま利用したい人
- 交換パーツや本体を入手しやすい製品を選びたい人
- シンプルで壊れにくい道具が好きな人
逆に、
- 少しでも浄水速度を重視したい
- メンテナンスをできるだけ楽にしたい
という人であれば、Katadyn BeFreeも十分選択肢になると思います。どちらも非常に完成度の高い浄水器なので、「何を優先するか」で選ぶのがおすすめです。
Sawyer Squeezeを選んだ理由

PCTで購入することを決心してから、僕はトレイル上で悩んでいました。砂漠や森の中を歩きながら
どれもロングトレイルでは定番の浄水器です。この三つのどれを購入するべきなのか、判断に迷いました。
Sawyer SqueezeをPCTで多くの人が使っていた
Sawyer Squeezeを選んだ理由は、PCTで出会った友人の一言でした。彼は南米など世界各地のロングトレイルを歩いてきた経験豊富なハイカーで、こう言っていました。
「Sawyerは世界中で使われている。本当に信頼できる浄水器だよ。」
実際、PCTでは僕の周りにいたハイカーの多くがSawyerを使っていました。
PCT DAYSでメーカーサポートされていた
SawyerがPCTで広く普及している理由の一つに、サポート体制があります。PCTでは「PCT Days」というイベントが開催されます。世界中からハイカーやメーカーが集まるイベントなのですが、そこではSawyerのブースがあり、フィルターの洗浄を無料で行ってくれていました。それだけ世界中で使用者が多く、実績のある製品だという安心感には繋がると思います。
Katadyn BeFreeを選ばなかった理由
| Sawyer | BeFree |
|---|---|
| 互換性◎ | 専用ボトル |
| 耐久性◎ | ○ |
| 速度○ | ◎ |
フィルターのメンテナンスも簡単で、手軽さではBeFreeの方が優れていると思います。バックラッシュのような手間な作業は必要ありませんからね。
ボトル互換性が気になった
僕が気になったのはボトルの互換性でした。BeFreeは専用ボトルを使用します。口径が広く、市販のペットボトルとは互換性がありません。PCTではボトルが破れたり、紛失したりすることも珍しくありません。
そのとき現地で代用品を探そうとしても、必ずしも同じ規格のボトルが売っているとは限りません。実際、BeFreeを使っていた友人からも、「ボトルを探すのに苦労することがある」という話を何度か聞いたからです。
Platypus QuickDrawを選ばなかった理由
もう一つ候補だったのがPlatypus QuickDrawです。現在では人気も高くなっていますが、僕がPCTへ向かった当時はまだ情報が少なく、実際に使っている人もそれほど多くありませんでした。
入手性の心配もあった
今では無用の心配だったと理解していますが、当時は「交換できるかな」というのが心配でした。壊れた時に同じものが購入できないのは辛いですから。実際には、様々なアウトドアショップで購入できますから安心です。
Sawyer Squeezeの酷使レビュー
PCTでは約3000kmほどSawyer Squeezeを使用しました。使用期間だけを見ると長く感じないかもしれませんが、その3000kmは毎日浄水を繰り返しながら歩き続ける生活です。

実際に使用した感想を話していこうと思います。
Sawyer Squeezeを約3000km使って感じたこと
トータルでバランスが一番とれている、というのが正直な感想です。頑丈で拡張性が高く、様々な場面で活躍しています。世界中で使用されているだけではなく、多くのハイカーが使用しているだけの理由はあるな、と感じました。
ただ、間違えてminiを購入すると故障などの問題に遭遇しやすいらしい。そこは、30gケチることなく、安心安全なモノを購入した方がいいと思う。
とにかく頑丈
まず一番印象に残っているのは耐久性です。ロングトレイルでは装備を雑に扱う場面が少なくありません。地面へ置くこともあれば、ザックへ適当に放り込むこともあります。
それでもSawyerは壊れる気配がありませんでした。
PCTを歩いていても長年使っているハイカーが多く、「まだこれ使ってるよ」と笑いながら見せてくれる人もいました。実際、多くのハイカーが何千kmという距離を歩いても使い続けています。年数で言えば、5年以上使用している事も珍しくないです。
この安心感は非常に大きなメリットだと思います。
蓋が邪魔で壊れた
蓋が邪魔で壊れたというか、蓋をつけ忘れて踏んでしまった際に、少しだけとれてしまった。一体型となっているのだが、連携している部分に亀裂が入っている。これはプラスチックパーツだし、最悪カットして整形すれば何とかなる。
こちらの不注意での故障だが、流石に踏みつけてはダメだったようですね。
年単位以上、使いまわせる
何年と使い込む人も多く、ほれ込んでリピート買いする人もいる。Sawyerの信用と信頼性は、かなり高い事が分かる。壊れない物、手入れしたら長く使えるランニングコストを意識するなら、Sawyerは外せないと思います。
ペットボトルとの互換性が高い
僕がSawyerを気に入った理由の一つが、市販のペットボトルをそのまま利用できることです。ロングトレイルではボトルは消耗品です。落として割れることもありますし、長期間使えば変形や劣化もしてきます。
そんな時でもコンビニやスーパーで購入したペットボトルへ取り付けるだけで、そのまま使えるのは非常に便利でした。専用ボトルを持ち歩く必要もありません。
「ボトルが壊れたら現地で買えばいい。」
その気軽さは、長期間歩く旅では精神的な安心にも繋がります。
浄水速度は十分速い
BeFreeほど勢いよく浄水できるわけではありません。ですが、Sawyerが遅いと感じたこともありませんでした。500ml程度であれば数十秒もあれば浄水できます。これが、分単位であれば苦労しますが、圧力をかけて浄水すればすぐでした。
一日に何度も使用する道具だからこそ、このくらいの速度があれば十分です。速さだけを追求するのであればBeFreeに軍配が上がるかもしれません。しかし、総合的な使いやすさを考えるとSawyerも十分満足できる性能でしたね。
格安浄水器は買ったらだめ
僕は最初、格安の浄水器を使用していました。格安浄水器は500ml浄水するのに約30分かかりました(使い続けた結果)。ロングトレイルでは現実的ではなく、Sawyerへ買い替えて正解だったと感じています。正直馬鹿らしいです。
Sawyer Squeezeの気になった点
ここまで良い部分ばかり紹介しましたが、もちろん気になる点もあります。ここでは、実際に使用してみたレビューをしていこうと思います。参考までにどうぞ。

気になったところまとめ
- 定期的な逆洗浄が必要である
- 蓋が邪魔になることが多かった
- BeFreeの浄水速度は羨ましいほど早い
- プラスチック臭い
| 気になった点 | 評価 |
|---|---|
| 逆洗浄が必要 | ★★★☆☆ |
| 浄水速度 | ★★★★☆ |
| 蓋 | ★★☆☆☆ |
| 臭い | 個人差あり |
定期的な逆洗浄は必要
Sawyerは中空糸膜フィルターなので、使い続けると流量が少しずつ落ちていきます。そのため、付属のシリンジを使って逆洗浄(バックフラッシュ)を行う必要があります。この作業自体は難しくありません。
ただ、BeFreeのようにボトルを振るだけである程度洗浄できる製品と比べると、少し手間は感じます。とはいえ、数分で終わる作業ですし、性能を維持するためには必要なメンテナンスだと思っています。町中に降りて休憩する時の、息抜きやハイカー同士の会話のきっかけになりますね。
人によってはプラスチック臭を感じることもある
インターネット上では、「Sawyerはプラスチック臭が気になる」という口コミを見ることがあります。BeFreeほどではないですが、実際僕の周りにもそう話していた人はいました。
ただ、僕自身はほとんど気になりませんでした。このあたりは製品というより個人差の影響が大きいのではないかと思っています。それか、飲んでいる水が違うのかもしれませんが。
少なくとも、僕は使用中に不快さを感じたことはありませんでした。
蓋が微妙に邪魔になる
sawyerには浄水した水を出す部分に、蓋が付いています。この蓋はボディと繋がっており、浄水中などはプラプラとしており、これが意外に邪魔になります。ペットボトルに刺そうとしている時に干渉したり、飲もうとしたときに干渉したり。とにかく「今邪魔するな」というタイミングで邪魔をしてきます。これが意外にストレスに感じる事がありました。
直接口をつけて飲んでいる時も、鼻に当たったり頬を掠めたり。気が散ります。
BeFreeの浄水速度は羨ましい
正直、BeFreeの浄水速度は羨ましさを感じるくらいに早いです。目の前で「バヒュー」と音を立てて浄水をしていきます。一方で、Sawyerは「ジャー」ッというくらいで、結構な抵抗を感じてしまいます。この差は大きいかなと思っています。
バックラッシュを必要としないBeFreeはメンテナンス性も高いですね。一方で、Sawyerはバックラッシュをしなければゴミが取れないというデメリットはあります。ただ、バックラッシュをすると新品同様の性能が戻ってくることは、大きなメリットです。
Sawyer Squeezeに関するよくある質問
ココでは簡単にですが、Sawyerの紹介をしていこうと思います。当初自分も持っていた疑問にも、実際に使用した視点で解答していこうと思います。

Q. Sawyer Squeezeの浄水速度は遅いですか?
いいえ。
BeFreeと比較すると少しゆっくりですが、実際に使用していて遅いと感じたことはありませんでした。500ml程度であれば短時間で浄水できますし、ロングトレイルでも十分実用的な速度です。速さを求める人には、少し物足りなさがあるかもしれません。
Q. ペットボトルは使えますか?
使えます。
これがSawyer最大の魅力の一つです。
市販されている多くのペットボトルと互換性があるため、ボトルが壊れても現地で購入してそのまま使用できます。ロングトレイルでは、この安心感は想像以上に大きいメリットになります。また、多くの場合現在使用しているウォーターバッグとも整合性があると思います。
Q. BeFreeとどちらがおすすめですか?
浄水速度だけで比較するならBeFreeです。
ですが、耐久性や入手性、ボトルの互換性まで含めて考えると、僕はSawyer Squeezeを選びます。実際にPCTでもSawyerを使用しているハイカーは非常に多く、「困ったらSawyerを選べば間違いない」と感じるほど定番の存在でした。
Q.プラスチック臭さを感じたら
個人的には「使用を停止する」ことを進めます。実際にプラスチック臭さを感じているハイカーの多くは、他の浄水器に乗り換えをしていました。中には、浄水器が壊れて味が変になっている人もいましたし、別ブランドにしたら改善される人もいました。
日々の無水がマズいのは、大きなストレスです。それではハイキングを謳歌することは困難になります。可能であれば買い替えを検討してみてはいかがでしょうか?
Q. Sawyer Squeezeは日本の登山でも必要ですか?
沢や湧き水を利用する機会が多い人であれば、十分活躍すると思います。特に長い縦走では、水を運ぶ量を減らせることも大きなメリットです。
ただし、浄水器があればどんな水でも安全に飲めるわけではありません。生活排水や化学物質が混入している可能性がある水や、水質が明らかに悪い場所では使用を避けるべきです。浄水器はあくまでも自然の沢水や河川などを利用するための装備として考えることをおすすめします。
Q.どのくらいの期間使用できるか?
使用期間に関しては、バックラッシュを行えば年単位で使用できます。僕の把握している中での最長は、12年。中のフィルターを交換する必要もありません。踏んだり蹴ったりして破壊すると使用できなくなるので、そこだけ注意しましょう。
Q.セット購入できるか?
sawyerを購入する場合、多くの場面でセットで購入することになります。具体的には「バックラッシュ用のセット」と「Sawyerオリジナルウォーターキャリー」です。これらがセットになる為、一番最初にsawyerを購入している方もいます。一通り必要な道具は揃いますからね、便利です。
Q.MINIとの違いは?
具体的には下記表のような内容になっています。
| 比較項目 | ソーヤー スクイーズ (Squeeze) | ソーヤー ミニ (MINI) |
| 本体重量 | 約71g | 約41g(超軽量) |
| 本体サイズ | 全長 約14.5cm × 外径 約5.0cm | 全長 約13.5cm × 外径 約3.5cm |
| フィルター孔サイズ | 0.1ミクロン(ホロウファイバー) | 0.1ミクロン(ホロウファイバー) |
| フィルター寿命 | 最大 約38万リットル | 最大 約38万リットル |
| ろ過スピード(流量) | 圧倒的に速い(1L / 約40〜60秒) | 遅い(500ml / 約1分) |
| 目詰まりにくさ | 高い(フィルター表面積が広い) | 低い(表面積が小さく詰まりやすい) |
| 絞り出す力(労力) | 軽い力でスムーズに出る | 強い力で絞り出す必要がある |
| パウチ・システムの耐久性 | 高い(負荷が分散され破損しにくい) | 低い(圧力をかけすぎてパウチ破損リスクあり) |
| メンテナンス頻度 | 低い(洗浄の手間が少ない) | 高い(頻繁にバックフラッシュが必要) |
| ペットボトル互換性 | ◯(28mm規格に対応) | ◯(28mm規格に対応) |
このようになっており、個人的にはSp129のスクイーズをおすすめします。
まとめ|今でもSawyer Squeezeを選ぶ理由
迷っているなら、僕はSawyer Squeezeをおすすめします。浄水速度だけならBeFree。
・耐久性
・入手性
・ボトル互換性
・世界中で使われている安心感
この4つまで含めると、今でもSawyer Squeezeが一番バランスの取れた浄水器だと思っています。
これまでの記事

