ロングトレイルのベースレイヤーは化繊とメリノウールどっち?

知識や経験
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ロングトレイルのベースレイヤーを選ぶとき、僕が一番悩んだのは「化繊とメリノウールのどちらを選ぶか」でした。PCTのような長距離のトレイルでは、毎日洗濯できるわけではありません。

汗をかいたウェアを何日も着続けることもあります。そう考えると、臭いにくいメリノウールは非常に魅力的です。実際、僕もロングトレイルで使うベースレイヤーとしてメリノウールを試しました。

一方で、長距離を歩くうちに気になったのが、耐久性と乾燥の早さです。そこで最終的に僕がよく使うようになったのが、化学繊維のベースレイヤーでした。ロングトレイルのベースレイヤー選びでは、素材の優劣よりも、自分が何を重視するのかを決めることが重要だと僕は考えています。

この記事では、化繊とメリノウールの特徴を整理したうえで、PCTを歩いた僕が実際にどのように選ぶようになったのかを紹介します。

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ロングトレイルではベースレイヤーの選び方が変わる

一般的な登山よりも長期間にわたり、様々な環境で使用することになります。そのため、ロングトレイルでどのようなベースレイヤを選ぶのかは重要です。ベースレイヤーを着ずに歩いているハイカーもいますが、丁寧に選定することが寒さから逃れるすべの一つだと思います。

普通の登山とロングトレイルでは条件が違う

日帰り登山なら、汗をかいたら下山して着替えることができます。山小屋に泊まるなら、着替えを持っていくこともできます。ところがロングトレイルでは、そうはいきません。

  • 何日も町に立ち寄らずに歩くこともあります。
  • 洗濯できない日が続くこともあります。
  • 汗をかいても、そのウェアを翌日また着ることになります。
  • 場合によっては、数日間にわたって同じベースレイヤーを使い続けることもあります。

そのため、僕はロングトレイルのベースレイヤーでは、単純な「着心地」だけではなく、次のような項目を重視するようになりました。

重視することロングトレイルで重要になる理由
速乾性汗や雨で濡れた後に乾かしやすい
通気性暑い環境で長時間行動しやすい
防臭性洗濯できない期間でも使いやすい
耐久性数百km、数千kmにわたって使用するため
洗濯のしやすさ町に着いたときに手早く洗って乾かしたい
保温性寒い環境で行動するときに重要になる
重量長距離では身につけるものも積み重なる

この中で、すべてを最高レベルで満たすベースレイヤーはありません。だからこそ、何を優先するかが重要になります。

「涼しさ」と「臭いにくさ」は別の問題

僕が化繊とメリノウールを使い比べて、一番強く感じたのがここです。暑い環境で大量に汗をかくなら、僕は乾きやすくて扱いやすい化繊を選びたくなります。一方で、洗濯できない期間が長くなるほど、防臭性の高いメリノウールの魅力が大きくなります。

  • 暑さ・速乾性を優先するのか。
  • 臭いにくさを優先するのか。

これは単純な性能比較ではありません。自分がロングトレイルで一番困ることを決める問題です。

化繊とメリノウールをロングトレイル目線で比較する

ここでは自分の経験と素材の特性を元に簡単にですが比較していこうと思います。単純に「こっちが優れている」という話ではなく、特徴を取り上げながら比較をしていきます。

メリノウールは「洗濯できない環境」で強い

メリノウールがロングトレイルで人気の理由の一つが、防臭性です。ウールは水分を吸湿する性質を持ち、臭気成分を繊維内部に取り込む特性もあります。

研究では、着用後のウールはポリエステルより臭気の保持が少ないことが確認されています。Woolmarkが紹介する研究では、ウール生地の臭気強度がポリエステルより66%低かったという結果も示されています。

また、ポリエステルの衣類では、綿と比較して運動後の臭いが強く感じられたという研究もあります。そのため、何日も洗濯できないロングトレイルでは、メリノウールの防臭性は大きなメリットになります。

長期間着るなら防臭性はかなり重要

PCTのようなロングトレイルでは、毎日シャワーを浴びられるわけではありません。洗濯も同じです。町に到着したタイミングで洗濯できればいいものの、それまで何日も同じウェアを使うことがあります。

そう考えると、少しでも臭いにくいことには意味があります。実際、PCTを歩いているとメリノウールやメリノ混のウェアを使っているハイカーを多く見かけました。僕自身も、防臭性を期待してメリノウールを使っていた時期もあります。

ただ、使い続けていくうちに別の問題が気になるようになりました。

メリノウールには耐久性の問題を感じた

僕がメリノウールを使っていて気になったのが、耐久性です。ロングトレイルでは、ベースレイヤーも毎日のようにバックパックと擦れます。

  • ショルダーハーネスが当たる。
  • ヒップベルトが当たる。
  • 枝に引っ掛ける。
  • 洗濯する。

こうした負荷が何度も繰り返されます。僕自身はメリノウールを使う中で、化繊よりも生地の傷みが気になるようになりました。PCTで周囲のハイカーを見ていても、メリノウールやメリノ混のベースレイヤーが破れている場面を目にすることがありました。

もちろん、これは僕が歩いた環境で見た範囲の話です。製品の厚さや編み方、メリノウールの混紡率などによって耐久性は変わるため、「メリノウールは必ず破れやすい」と言うことはできません。

ただ、僕自身が次のベースレイヤーを選ぶときには、耐久性をかなり重視するようになりました。

化繊は「汗をかくこと」と「手軽さ」に強い

僕が現在、ロングトレイルで化繊を好んで使う理由は、汗をかいた後の扱いやすさです。特に薄手の化繊ウェアは、汗や水分を含んでも乾かしやすい。暑い環境で大量に汗をかく僕にとって、これはかなり重要でした。

汗を大量にかくなら速乾性を優先したい

PCTでは、暑い場所を長時間歩くことがあります。そうした環境では、汗をかかないようにすることはできません。だから僕は、「汗をかいた後にどうなるか」を重視します。

濡れたウェアが乾きやすければ、そのまま歩き続けられます。雨に濡れた場合にも同じです。僕がジオライン クールメッシュを約4,000km使って気に入ったのも、この部分でした。汗をかいてもベタつきが残りにくく、乾燥も早い。

そのため、暑い環境での行動ではメリノウールより化繊を選ぶことが多くなりました。

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洗濯を気にせず使えることも大きい

ロングトレイルでは、衣類を大切に扱っている余裕がない場面もあります。日々歩きながら生活をしていきます。普段の生活で行っている洗濯などは、歩いている時よりもレアな珍しい行為です。気軽に洗濯する、という場面はあまりない印象です。

僕は化繊のベースレイヤーについて、この「気軽に使えること」をかなり評価しています。洗濯をすること自体を過度に心配せず、汚れたら洗う。乾かして、また着る。

この手軽さは、長距離を歩いていると意外に大きなメリットです。

化繊でも耐久性には注意が必要

「化繊なら何千kmでも壊れない」という意味ではありません。僕が使ったジオライン クールメッシュも、約4,000kmの使用でほつれや破れを経験しました。特に薄い生地では、枝などに引っ掛ければ傷みます。

それでも僕は、メリノウールより化繊のほうが自分の使い方には合っていると感じています。多少のほつれがあっても、速乾性と扱いやすさを優先したい。これが僕の現在の選択です。

メリノウールと化繊は混ぜることで弱点を補える

最近では、メリノウール100%と化繊100%の二択ではありません。メリノウールとポリエステルなどを混ぜた製品も数多くあります。これは理にかなった考え方です。

ウールには吸湿性や防臭性などの特徴があり、ポリエステルには耐摩耗性や扱いやすさなどの特徴があります。実際、ウールとポリエステルを組み合わせたスポーツウェアについては、両素材の特徴を組み合わせる研究も行われています。

ただし、「メリノ混ならすべて同じ」ではありません。メリノが何%入っているのか。ポリエステルなど他の繊維が何%なのか。生地の厚さはどうなのか。編み方はどうなのか。これらによって、着心地や乾燥性、耐久性などは変わります。

だから僕は、「メリノ混だから化繊とメリノの良いところを全部持っている」とまでは考えていません。製品ごとに特徴を見る必要があります。

僕がロングトレイルでベースレイヤーを選ぶなら

最後に、ロングトレイルで僕が今後選ぶ際に重視するであろう項目を記載していきます。僕の場合、現在はクールメッシュにしていますが、新しい製品や魅力的なものに出会えたら変更していく予定です。

暑い場所を長時間歩くなら化繊

僕なら、暑い場所を長時間歩く場合は化繊を選びます。理由は、汗をかいた後の乾燥性と扱いやすさです。PCTでクールメッシュを約4,000km使った経験から、僕にとってはここが非常に重要でした。

多少の臭いが出ても、洗濯できるタイミングで洗えばいい。それよりも、歩いている最中に暑くなりすぎたり、濡れたウェアを着続けたりするほうが嫌です。

洗濯できない期間が長いならメリノウール

一方、何日も洗濯できないことを最優先するなら、僕もメリノウールを候補にします。ロングトレイルでは、臭いの問題は自分だけの問題ではありません。

テント内やシェルター、シャトル、街中など、人と近い距離で過ごす場面もあります。そのため、防臭性は快適性だけでなく、周囲への配慮という意味でも重要です。

僕は「臭い」と「暑さ」のどちらを嫌うかで決める

結局、僕が考える一番分かりやすい選び方はこれです。

  • 臭いが一番嫌ならメリノウール。
  • 暑さと汗が一番嫌なら化繊。

もちろん、これは極端に単純化した表現です。実際には、メリノでも製品によって乾燥性は違いますし、化繊でも防臭加工を施した製品があります。

それでも、初めてロングトレイル用のベースレイヤーを選ぶなら、自分が一番避けたい問題を決めると選びやすくなります。

僕は最終的に化繊を選ぶことが多い

僕自身はメリノウールも試しました。防臭性という点では魅力があります。実際、ロングトレイルとの相性が良い素材だと思います。それでも、現在の僕は薄手の化繊を選ぶ場面が多くなりました。

理由は、耐久性、乾燥性、そして扱いやすさです。特に僕は、重量をそれほど気にしないのであれば、保温性はベースレイヤーだけに任せる必要もないと考えています。

少し厚手のインナーやミドルレイヤーを組み合わせればいい。そう考えると、ベースレイヤーには「暖かさ」よりも、汗を処理してくれることを優先したくなります。

僕ならこう選ぶ

一番重視すること僕なら選ぶ素材理由
暑さへの対応化繊通気性と乾燥性を優先したい
大量の汗化繊汗をかいた後の扱いやすさを重視する
速乾性化繊濡れた後に乾かしやすい
洗濯の手軽さ化繊汚れたら気軽に洗いやすい
臭いにくさメリノウール長期間着用するときに有利
洗濯できない期間メリノウール臭いを抑えやすい
耐久性製品ごとに比較素材だけでは判断できない
両方の特徴を求めるメリノ混素材の配合と製品設計を確認する
僕自身の暑い時期のロングトレイル化繊クールメッシュの使用経験から

僕は、ロングトレイルのベースレイヤーに「正解」があるとは思っていません。メリノウールには、何日も洗濯できない環境で大きなメリットがあります。一方で、化繊には、汗をかいたときの乾燥性や扱いやすさがあります。

どちらを選ぶかは、自分がどちらの弱点を許容できるかで決めればいい。僕の場合は、メリノウールの防臭性よりも、化繊の乾燥性、耐久性、手軽さを優先するようになりました。そのため、PCTでは化繊のジオライン クールメッシュを約4,000km使いました。

もちろん、クールメッシュにも弱点はあります。長期間使えば臭いは気になりますし、薄い生地なのでほつれや破れも経験しました。それでも、暑い環境で大量に汗をかきながら長距離を歩く僕にとっては、その弱点を受け入れてでも使いたいベースレイヤーでした。

ベースレイヤーは「一番高性能な素材」を選ぶものではなく、「自分が一番嫌な問題」を避けるために選ぶもの。

まとめ

ロングトレイルのベースレイヤーは、化繊とメリノウールのどちらが優れているかではなく、自分が何を優先するかで選ぶのが大切です。
汗をかく暑い環境では速乾性や通気性に優れる化繊が使いやすく、洗濯できない期間が長いなら臭いにくいメリノウールが頼りになります。
どちらにも弱点があるため、メリノウールと化繊を組み合わせた製品を選ぶ方法もあります。

僕自身はPCTを歩く中でメリノウールも使いましたが、最終的には乾きやすく、扱いやすく、多少雑に使っても気になりにくい化繊を選ぶことが多くなりました。
特に暑い場所を長時間歩き、大量に汗をかくロングトレイルでは、臭いよりも暑さや乾きにくさのほうが僕にとって大きなストレスでした。
ベースレイヤーは最高の素材を探すのではなく、自分が一番避けたい不快感から選ぶことが、長く歩くための一つの答えだと思っています。

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