登山やハイキングで長い距離を歩いていると、足の裏や指にマメができることがあります。小さなマメなら我慢できることもありますが、大きくなると歩くたびに痛みが出て、普段通りに足を着くことすら難しくなります。
ただ、これまでの経験を振り返ってみると、マメができたときにはいくつか共通する条件がありました。
- 足が靴の中で動いていた
- 足の一部分に強く力がかかっていた
- 石や不整地で踏ん張る動作が増えていた
- 足が汗や雨で濡れていた
- 長時間歩き続けていた
- 靴のサイズや形が足に合っていなかった
そして、最近の研究では、マメは単純に「靴と皮膚が擦れる」ことで起こるのではなく、足の内部で繰り返される剪断変形(shear deformation)が重要だと考えられています。
この記事では、登山でマメができる仕組みを確認しながら、僕が6,000km以上歩いて実際に経験したマメと、その対策について紹介します。

- 登山でマメができるのはなぜ?
- ⑤ 靴下が足に合っていない
登山でマメができるのはなぜ?

登山に限らず、様々な環境でできる「マメ」と「水ぶくれ」には悩まされていませんか。僕は登山を始めた時も、遊びでランをしていた時も悩んでいました。実は、マメや水ぶくれは発生するメカニズムが明確に存在します。
マメや水ぶくれは「靴ずれ」だけで起きるわけではない
「マメ=靴ずれ」という説明をされることが多いと思います。もちろん靴や靴下と足の間に生じる摩擦は関係しています。ただ、現在ではマメができる仕組みはもう少し複雑だと考えられています。
2024年にJournal of Athletic Trainingに掲載されたレビューでは、足のマメは表面が単純に擦れてできるのではなく、繰り返される剪断変形によって皮膚内部に損傷が起こるというモデルが提示されています。
このレビューでは、マメ形成に重要な要素として、
- 足の骨が動くこと
- 高い摩擦力が発生すること
- その動きが何度も繰り返されること
の3つが挙げられています。
つまり、
靴の中で足が少し動く
↓
足の骨や組織も動く
↓
皮膚表面との動きに差が生まれる
↓
皮膚内部に剪断変形が繰り返される
↓
マメにつながる
というイメージです。「擦れる」という一言だけでは、長時間歩いたときに足のどこへマメができるのかを説明しきれません。
皮膚の中で起きている「剪断」がマメにつながる
マメは皮膚の一番表面だけが削れてできる傷ではありません。2024年のレビューでは、繰り返される剪断変形によって表皮の内部にある層が損傷し、その後、組織液に近い液体がたまって水疱になると説明されています。
この考え方を知っておくと、「なぜ同じ靴を履いていても、特定の日だけマメができたのか」という疑問も少し理解しやすくなります。重要なおは、「繰り返される剪断」という部分だからです。
- 歩き方
- 地面の状態
- 足の疲労
- 靴の中での足の動き
- 湿気
- 歩行時間
などが組み合わさります。だから、靴や靴下以外にもしっかりと、歩き方を見直す必要があります。
摩擦・圧力・足の動きが重なる
足の裏には歩くたびに荷重がかかります。さらに登山では、平坦な道だけを歩くわけではありません。急な登り、下り、岩場、砂利、木の根、石の多い道など、足の裏にかかる力は歩く場所によって変化します。
特に僕が長距離を歩いていて感じるのは、「踏ん張る」場面が増えたときに足の一部分へ負担が集中することです。これは後ほど、PCTで中指の真下に大きなマメができた経験として詳しく紹介します。
長時間歩くほどマメができやすくなる理由
単純に考えても、1,000歩しか歩かない場合と、30,000歩歩く場合では、足に繰り返しかかる負荷の回数が違います。実際、ウルトラマラソンを対象にした研究では、182kmを4日間走った参加者のマメの発生率が、初日34%から最終的に76%まで増加しました。マメはつま先、足の母指球、踵などに多く発生しています。
登山やロングトレイルでも、歩く距離が長くなればなるほど、足に同じような負荷を繰り返し与えることになります。
汗で湿った足とマメ・水ぶくれの関係
マメについて考えるとき、僕が実際の長距離歩行でかなり重要だと感じているのが足の湿気です。汗をかけば、靴下の中は湿ります。雨に降られれば、さらに状況は悪化します。
そして、長時間歩いて足が濡れた状態が続くと、足の皮膚そのものにも変化が起こります。
濡れた靴下で歩くことのリスク
2022年に発表された研究では、フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路を歩いていた203人のハイカーを調査しています。平均歩行距離は253.7kmで、68.5%の参加者に足のマメが確認されました。
そして興味深いのが、濡れた靴下で歩いていた人は、乾いた靴下で歩いていた人と比較して、マメがある割合が1.94倍だったことです。一方で、靴下が天然繊維中心か化学繊維中心かという違いと、マメの発生には関連が確認されませんでした。
つまり、「メリノウールだからマメができない」とか、「化繊だからマメができない」と単純には言えません。少なくともこの研究では、靴下の素材構成より、濡れた状態そのものが重要な要因として確認されています。
この点については、僕が以前書いた登山用靴下の記事でも詳しく紹介しています。

「乾燥していれば絶対にマメができない」わけではない
もちろん、足を乾かせばマメが完全になくなるわけではありません。僕自身、乾燥した南カリフォルニアでもマメができています。逆に、雨で足が濡れたことがきっかけになったケースもあります。
つまり、湿気は重要な要素の一つではあるけれど、湿気だけが原因ではないと考えています。
足が皺皺になってきたら「浸軟」に注意
足の浸軟(しんなん)とは、汗や水気により皮膚が過剰に水分を吸収した状態です。この浸軟になると、足が皴皴になりバリア機能が低下してしまいます。しわが深くなりすぎると、歩いているだけでも痛い時があり、出血することもあります。
浸軟状態はかなり危険で痛い為、できるだけ避けたいです。
風呂上がりのような浸軟足は皮膚が水分を含んでいる
長時間歩いていると、靴下の中の足が白っぽくなったり、風呂上がりのように皺皺になったりすることがあります。僕自身、長距離を歩いていると、この状態になることがあります。
マメができるときに必ず足が皺皺になっているわけではありません。ただ、経験上、足が蒸れて濡れ、皺が深くなっているときは、マメができやすいと感じています。
Cleveland Clinicでは、浸軟した皮膚は白っぽくなったり、梅干しのように皺が寄ったり、湿った状態になったりすると説明されています。強くなると、痛みやヒリヒリ感が出ることもあります。
浸軟した皮膚は機械的な刺激に注意したい
浸軟した皮膚では、過剰な水分によって皮膚が柔らかくなります。Cleveland Clinicも、長時間の水分曝露によって皮膚の保護バリアが弱まり、傷や感染につながる可能性があると説明しています。
ここで注意したいのは、「足が皺皺になった=必ずマメができる」ということではありません。僕自身も、皺皺になったから必ずマメができたわけではありません。ただ、長距離歩行中に、足が濡れる → 皺が深くなる → その状態でさらに歩き続けるという状況になったら、僕は足を一度確認するようにしています。
皺が深くなり、痛みが出てきたら要注意
僕が特に注意しているのは、単に皺があるかどうかではありません。風呂上がりのように足がふやけて、皺が深くなり、そこに痛みまで出てきた状態です。この状態になると、歩くこと自体がかなり不快になります。
マメができていないから大丈夫、とは考えず、靴下を交換したり、休憩中に靴と靴下を脱いで足を乾かしたりすることを優先したいところです。
登山でマメや水ぶくれができやすい6つの原因
ここまでを踏まえると、登山でマメができる原因は一つではありません。
- 靴の中で足が動いてしまっている
- 足の一部に力が集中している
- 靴のソールや構造があっていない
- 濡れている
- 靴下があっていない
- 歩行距離や足の状態
この六つが要因として考えられると思っています。
① 靴の中で足が動いている
靴が大きすぎれば靴の中で足が動きやすくなります。逆に小さすぎれば、足が圧迫されます。僕自身、PCT序盤に一足目の靴を履いていたとき、少し窮屈に感じていました。
その状態で雨の中を歩き続け、母指球にマメができています。靴のサイズだけが原因だったとは断定できませんが、圧迫感がある靴で、濡れた状態のまま長時間歩いたという条件は重なっていました。
下りで足が前に動く場合
下りでは足が靴の前方へ移動しやすくなります。その結果、つま先や前足部に負担が集中することがあります。足が靴の中で動いている感覚があるなら、靴紐の締め方やサイズ、靴そのものとの相性を見直した方がいいでしょう。
足が靴の中で滑る場合
足が靴の中で動くと、足と靴下、靴下と靴の間で力が発生します。ただし、ここでも「表面が擦れるだけ」と考えないことが重要です。現在の研究では、骨の動きと皮膚内部の剪断変形がマメ形成の重要な要素とされています。
② 足の一部分に力が集中している
踏ん張る動作がマメにつながることがあります。これは僕自身の経験から、かなり重要だと感じています。登山では、足の裏全体で均等に歩けるとは限りません。岩場や石の多い場所では、足の一部分で体を支えることがあります。
そのとき、普段とは違う場所に負荷が集中することがあります。
石・岩場・不整地では足裏への負荷が変わる
特に注意したいのが、不整地を長時間歩く場合です。平坦なトレイルを歩いているときと、石を一つ一つ踏みながら登るときでは、足の使い方が変わります。
僕がPCTで経験したマメも、まさにこのパターンでした。
③ 靴のソールや構造が足の動きに合っていない
柔らかいソールだから必ずマメができるわけではないです。ここは僕自身の経験から感じていることですが、注意してほしい部分でもあります。僕はPCT南カリフォルニアでALTRA OLYMPUS 5を使用していました。
OLYMPUS 5そのものが悪いという話ではありません。ただ、枯れた川をずっと歩いて登っていくような区間で、石の上を踏ん張りながら進む状況になりました。その日に、足の中指の真下に大きなマメができています。
僕自身は、ソールの柔らかさと、石の上で踏ん張る動作が増えたことが関係していたのではないかと考えています。ただし、これは僕の経験からの推測です。
「柔らかいソールだからマメができる」と一般化できるだけの根拠があるわけではありません。
足の動きと靴の組み合わせが重要
重要なのは、「この靴はマメができる靴」と決めつけることではありません。
同じ靴でも、
- 平坦な道
- 岩場
- 長い下り
- 長い登り
- 雨
- 乾燥した環境
では足への負荷が変わります。僕がOLYMPUS 5でマメを作った日も、靴だけではなく「どんな地面を、どんな歩き方で、どのくらい歩いたか」が重なっていました。
④ 足が汗や雨で濡れている
汗で靴下が濡れる事を忘れてはいけません。長距離を歩けば足も汗をかきます。特に暑い時期や、長時間歩き続ける日には、靴の中はかなり蒸れます。僕自身、南アルプスを歩いたときには、登山靴の中がかなり蒸れていました。
雨で靴の中まで濡れることもあります。そして、雨の場合はさらに極端です。靴下まで濡れてしまえば、乾くまでずっと湿った環境で歩くことになります。
先ほど紹介した203人のハイカーを対象とした研究でも、濡れた靴下で歩くことはマメの発生と関連していました。
濡れた状態で長時間歩き続ける
ここは僕自身のPCT経験がかなり当てはまります。雨に打たれながら歩き続け、最終的には雪に変わった日がありました。靴の中はびしょびしょです。
そのときに母指球にマメ(水ぶくれ)ができました。湿気だけが原因だったとは言えません。
ただ、濡れた状態+長時間歩行+靴の圧迫感が重なっていたことは確かです。
⑤ 靴下が足に合っていない
靴下もサイズが合っていることが重要です。余った部分が靴の中で動けば、足への刺激につながります。逆に、きつすぎれば圧迫感が出ます。
靴下のシワも確認したいところです。特定の場所にシワが寄ったまま長時間歩けば、その部分に圧力が集中します。
素材より「濡れた状態」をどう管理するか
僕は以前、登山用靴下について、メリノウールと化繊の違いや実際に使ってきた靴下についてまとめました。ただ、マメという観点から考えると、素材だけで答えを出すのは難しいと思っています。
実際、203人のハイカーを調査した研究では、天然繊維・化学繊維の割合とマメの有無には関連が認められませんでした。対して、濡れた靴下はマメの発生と関連していました。
そのため、僕は「何素材の靴下か」だけではなく、長時間歩いたときに足がどういう状態になるかを見るようにしています。

⑥ 歩行距離・足の状態も要注意
朝の出発時には問題なくても、何時間も歩いた後には足の状態が変わっていることがあります。汗をかき、足がむくみ、靴下が濡れ、足の筋肉も疲れてきます。同じ靴を履いていても、朝と夕方では条件が同じとは限りません。
長時間歩くと足の状態が変化する
特にロングトレイルでは、これを無視できません。数時間なら問題なくても、一日中歩き続ければ、同じ場所に何千回、何万回と負荷が加わります。だからこそ、「朝は大丈夫だったから今日は大丈夫」とは限りません。
急に歩行距離を増やさないことも重要です。足が長時間歩行に慣れていない状態で、いきなり長距離を歩けば、それだけ足にかかる負担も大きくなります。2014年の研究でも、マメは長距離歩行・軍事訓練などで非常に一般的な問題とされています。
歴代に出来たマメ・水ぶくれの状況について
簡単にですが僕がこれまでに水ぶくれやマメを作ってしまった状況を紹介します。あまり参考にはなりませんが、同じようなところに行く際には注意して下さい。
PCTでは、歩き始めや、岩場が多い所、雨や嵐の翌日などに、マメや水ぶくれができる傾向にありました。日本で縦走をしている時は登山靴を使用しており。ゴアテックスのモノを使用していましたが、内部で蒸れることもありました。
300マイル地点まで頻繁にマメができていた
PCTを歩き始めた南カリフォルニアでは、300マイル地点くらいまで、マメが比較的頻繁にできていました。当時使っていたのはALTRA OLYMPUS 5。靴下にはSmartwoolを使っていました。
僕自身、Smartwoolを使っていたこともあり、正直なところ「マメとはあまり縁がないだろう」と思っていました。ところが、そう簡単にはいきませんでした。
ここで重要なのは、「Smartwoolだったからマメができた」わけではないということです。むしろ、その日の歩行条件を振り返ると、靴、地面、踏ん張り、気温、湿度など、いくつもの条件が重なっていました。
枯れた川を歩き続けた日に発生
その日は、枯れた川をずっと歩いて上がっていくような区間でした。石の上を歩くことが多く、足の裏で踏ん張る回数も増えていました。普段のトレイルより、明らかに足裏を使っている感覚がありました。
10mile近く歩いていたので、当たり前ですが石の上で踏ん張る動作が増えていました。そして、マメができたのは足の中指の真下です。思い返すと、その場所で踏ん張ることがかなり多かった。
現在の研究で説明されている「足の骨の動き」「摩擦力」「繰り返される剪断変形」という考え方を知ると、この経験も少し理解しやすくなります。ただし、僕のマメが実際にどのメカニズムだけで発生したかを後から断定することはできません。
暑さと湿気で足が乾かなかった
その日は気温と湿度が高く、足も乾きませんでした。長く歩いているため足も汗をかき、靴下の中は乾燥した状態ではありません。その状態で石の上を踏ん張り続けた。僕はこの複数の条件が重なったことが大きかったのではないかと考えています。
雨の中を歩き続けて母指球にマメができた
雨の中を歩き続け、靴の中もびしょびしょになりました。それでも歩き続けました。雪に変わるまで歩き続けた結果、マメができました。最終的には雨が雪に変わり、歩くこと自体がかなり難しい状況になりました。
このときは母指球にマメができました。普段から、母指球には負担がかかっている自覚があります。
濡れ以外で気になるのは靴の圧迫
母指球に出来ている時点であまり関係ないですが、少しだけ靴に圧迫感があったのも事実です。ガッツリ固定されているわけではなく、窮屈。窮屈だと足がズレないと思われているかもしれませんが、そんなことはなく、無理な力がかかっている印象です。
南アルプスで登山靴でもマメができた
僕が南アルプスを縦走していた時にも、マメができたことがあります。結構大きなマメで、苦労しました。当時歩いていたのは「光岳~聖岳」の縦走と「荒川三山」です。特に、聖は辛かった分思い出深いですね。
GORE-TEXの登山靴で足が蒸れた
このときはGORE-TEX入りのグランドキングを履いていました。靴下はモンベルの中厚手のものを使っていましたが、製品名までは覚えていません。長時間歩いたことで靴の中がかなり蒸れていました。
母指球と小指の付け根に発生
このときにマメができたのは、
- 母指球
- 小指の付け根
です。靴はトレイルランニングシューズではなく、登山靴でした。つまり僕の場合、「マメ=トレランシューズの問題」ではありませんでした。
小指側で踏ん張る癖との関係
僕には、小指側で踏ん張る癖があります。このときも、その癖が足裏の一部分への負荷につながっていたのではないかと考えています。また、足は汗でかなり濡れていました。マメそのものは擦れによって生じたものだと思いますが、濡れた状態が重なっていたことも無視できません。
このときのマメは直径1cm程度でした。比較的小さかったこともあり、処置自体はそれほど難しくありませんでした。
登山でマメ・水ぶくれを防ぐためにできること

ここまでの話をまとめると、マメを防ぐために「これ一つだけやればいい」という方法はありません。重要なのは、マメや水ぶくれができる条件を減らしていく事です。剪断力の発生を抑制することや、濡れない事は重要ですね。
足に合った靴を選ぶ
まずは靴そのものが足に合っていること。きつすぎても、大きすぎても問題になります。長時間歩く場合は、短時間では気づかなかった問題が出てくることもあります。靴の中で足を動かさないようにするのも大事ですね。
特に下りでは、足が前へ動いていないか確認します。靴紐の調整だけで改善する場合もあります。ただし、調整しても足が動くのであれば、靴そのものとの相性を考えた方がいいでしょう。
足が濡れた状態を長時間続けない
汗でも雨でも、足が濡れている状態を長時間続けないことを意識します。休憩時に靴と靴下を脱ぎ、足を乾かす。濡れた靴下を交換する。可能なら靴も乾かす。
地味ですが、長距離ではこうした積み重ねが重要です。また、靴下を適切に使うことも大事です。
靴下については、素材だけで決めるのではなく、
- サイズ
- 厚み
- シワ
- ズレ
- 汗をかいたときの状態
- 濡れたときの乾きやすさ
まで考えたいところです。
マメができそうな「前兆」を見逃さないようにする
「熱い」「擦れている」は重要なサインです。歩いていて、足の一部分だけが、「熱い」「ヒリヒリする」「擦れている」と感じたら、僕はその時点で確認した方がいいと思っています。
アメリカ皮膚科学会(AAD)も、痛みや不快感、皮膚の赤みが出た段階で活動を止めることをマメ予防の方法として紹介しています。
違和感が出たら早めに靴を脱ぐことを徹底しましょう。早めの対策で回避できます。我慢してしまうと、後から取り返しがつかなくなることがあります。ロングトレイルでは、早めに5分止まる方が、後から数時間苦しむよりずっと楽です。
靴下・足・靴の中を確認する
休憩したら、
- 靴下が濡れていないか
- シワがないか
- 足が皺皺になっていないか
- 赤くなっていないか
- 特定の場所だけ熱くないか
- 靴の中に石が入っていないか
を確認します。
絆創膏やテーピングに効果があるのか
僕自身も、マメ対策としてテーピングや絆創膏を使ってきました。短期的には、「これは効いている」と感じることがあります。ただし、何でもいいわけではありません。
絆創膏ははがれやすく、テーピングは選定すること
絆創膏は簡単に使える一方で、長時間歩くと剥がれやすい印象があります。汗や水分があると、さらに剥がれやすくなります。
テーピングの場合は、ある程度の厚みと粘着力がある方が使いやすいと感じました。僕自身はKTテープやキネシオロジーテープなどを使ったことがあります。伸縮性があるものの方が足に合わせやすいと感じています。ただし、これはあくまで僕の使用経験です。
伸縮性のあるテープを使った経験
テープを貼ることで、問題のある場所への刺激を減らせることがあります。ただ、長時間貼りっぱなしにするのではなく、休憩時には状態を確認するようにしています。僕の場合、休憩中にテープを外して乾燥させる必要があると感じることもありました。
研究ではテープの効果はどうなのか?
ここは、僕の経験だけではなく研究も見ておきたいところです。2016年のランナー128人を対象としたランダム化比較試験では、紙テープを貼った足でマメが40%減少したと報告されています。
一方で、マメ予防についての系統的レビューでは、靴下・制汗剤・バリアなどを調べた11研究のうち、方法論的に十分な信頼性がある研究は少なく、全体として高品質なエビデンスは不足しているとされています。
そのため、「テーピングをすればマメを確実に防げる」とは言えません。僕自身は効果を感じていますが、個人の経験と研究で確認されていることは分けて考える必要があります。
ワセリンを塗るのは意味があるのか
僕自身、マメ対策としてワセリンを塗ったことがあります。しかし、正直なところ、明確な効果を実感したことはありません。塗っていてもマメはできます。長時間歩くと、いつの間にか落ちているような感覚もあります。
そのため、ロングトレイルで一日中効果が続くのかについては、僕自身は疑問を感じています。
「汗腺を塞ぐから悪い」は現時点では断定できない
僕自身、「ワセリンで汗腺を塞いでしまうのでは?」と疑問に思ったことがあります。ただ、現時点で「ワセリンが汗腺を塞ぐことでマメを悪化させる」と単純に結論づけられるだけの根拠は確認できませんでした。
むしろマメ予防研究では、皮膚の湿潤状態や潤滑、摩擦を減らすことについて結果が一致していません。系統的レビューでも、靴下・制汗剤・バリア製品について高品質なエビデンスは不足しています。
また、ワセリンのような潤滑剤についても、長距離走の研究では予防効果が確認されなかった報告があります。したがって、僕は現時点では、「ワセリンを塗ればマメを防げる」とは考えていません。
マメができてしまったらどうする?
歩き続けるのはおすすめしないので、大人しく歩くのを辞めましょう。痛みで歩き方が変わってしまい、別の所を痛めてしまいます。マメが大きくなると、普通に足を着けなくなります。また、踏ん張った瞬間に強い痛みが出るので精神的に辛いです。
特に足裏にできたマメは、踏ん張った瞬間に強い痛みが走ります。僕自身、マメができた状態で4kmほど歩くのにも苦労した経験があります。
無理をするとマメが潰れることがある
さらに歩き続ければ、マメが潰れてしまうことがあります。そうなると、皮膚が傷になり、そこから感染するリスクも考えなければなりません。僕自身は、マメがひどいときには一日程度休むことを優先するようになりました。
歩かなければならない場合の対処
どうしても歩かなければならない状況なら、まずマメへの刺激を減らします。そのためには、クッション性を確保することを優先します。
僕の場合は、
- テーピング
- 絆創膏
- ガーゼ
などを組み合わせて、できるだけマメに直接刺激が加わらないようにします。
テープ・絆創膏・ガーゼを使う
特に足裏の場合、単に傷を覆うだけではなく、歩いたときに圧力が直接かからないようにすることが重要です。AADも、足裏のような圧力がかかる場所では、マメの周囲にドーナツ状のパッドを置いて圧力を逃がす方法を紹介しています。
こうすることで、効率的に患部への刺激を減らせます。
マメが潰れた場合
潰れたら仕方ないので、まず患部を清潔にすることから始めます。マメが潰れてしまった場合は、傷口を清潔にすることが重要です。
アメリカ皮膚科学会は、マメが破れた場合には石けんと水で洗い、清潔にして覆うことを勧めています。皮膚の屋根部分は、下の皮膚を保護する役割があるため、無理に剥がさないようにしています。
感染に注意する
マメが潰れたら、
- 赤みが広がる
- 腫れる
- 痛みが強くなる
- 膿が出る
などの変化がないか確認します。AADも、こうした症状がある場合は感染の可能性があるため、医療機関への相談を勧めています。
赤み・腫れ・膿などがある場合
特に登山中は、「化膿したけど、そのうち治るだろう」と放置しない方がいいと思います。山の中では医療機関まで簡単に行けないこともあります。強い痛みが続く場合、感染が疑われる場合、傷が大きい場合などは、無理に歩き続けないことを優先します。
この記事は一般的な情報なので、実際の傷の状態について不安がある場合は医療専門家に相談してください。
まとめ|マメ対策は「靴下」だけを考えない
6,000km以上歩いてきましたが、僕は今でも「マメを完全になくす方法」は分かりません。ただ、これまでの経験を振り返ると、マメができたときにはいくつか共通する条件がありました。
- 足が靴の中で動いていた
- 足の一部分に力が集中していた
- 石や不整地で踏ん張ることが増えていた
- 足が汗や雨で濡れていた
- 足が皺皺になるほど蒸れていた
- 長時間歩き続けていた
- 靴のサイズや形が合っていなかった
特に長距離を歩く場合、マメは「できてから対処する」より、できそうな段階で気づくことの方が重要です。僕自身も、もっと早く足を確認しておけばよかったと思うことがあります。これから長い距離を歩く人には、痛みを我慢する前に一度靴を脱いで、自分の足を見てほしいと思います。
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