登山用の靴下を選ぶとき、「厚手がいいのか」「メリノウールがいいのか」「5本指がいいのか」と迷う人は多いと思います。僕自身も、登山を始めたころはいろいろな靴下を試してきました。
結論を先に言えば、靴下は「素材」だけで選ぶものではありません。厚み・サイズ・丈・靴との相性、そして自分の足の形まで含めて考えることが大切です。
この記事では、6,000km以上歩いてきた経験から、登山用靴下を選ぶときに僕が見ているポイントをまとめます。
登山用靴下は何を基準に選ぶ?5つのポイント

自分が重要だと思っているのは、次の5つです。
- 厚み
- 形状
- 素材
- 丈
- 性能(乾燥や肌感覚)
以上です。ただ、基本的に丈に関しては踝以上と決めています。
靴下の選び方とポイント
僕が重要視する靴下の選び方に関してです。個人的には次のような部分に注意したいですね。
| 選ぶポイント | 基本的な考え方 | 長距離を歩く場合 |
|---|---|---|
| 厚み | 靴とのフィットを優先 | 中厚手を基本にする |
| 素材 | メリノ・化繊など特徴が異なる | 乾燥性・臭い・肌触りも見る |
| サイズ | きつすぎても緩すぎても避ける | 足指や踵に違和感がないか確認 |
| 丈 | 靴との接触を考える | 登山靴の履き口より上を基本に |
| 5本指 | 指同士の摩擦を減らせる構造 | 足幅と靴のサイズとの相性を確認 |
| クッション | 足裏への感触や靴との相性に関係 | 中厚手程度から試す |
| 吸湿・乾燥 | 足を濡れた状態にしないことが重要 | 替えの靴下も有効 |
| 耐久性 | 素材だけでは決まらない | 距離・荷物・路面・歩き方も考慮 |
全部で八項目ほどあります。
僕がこれまでに使用してきた靴下
先ほど紹介した項目を意識しつつ、僕は下記のような靴下を履いてきました。
| 靴下 | 使用経験 | 耐久性 | 履き心地 | 僕の評価・特徴 |
|---|---|---|---|---|
| モンベル KAMICO Trekking Socks | 山道約50km、約20kgの荷物 | 母指球裏に大きな穴 | 少し蒸れる・ズレる・きつい | 肌触りはサラッとして好み |
| モンベル WIC. Trekking Socks | 標高差約500mの下りで1回使用 | 1回で穴が開いた | 少し蒸れる・ズレる・きつい | 親指の爪が干渉する感覚あり |
| Injinji Trail Midweight Mini-Crew | 約20kg・約30km/日で数日 | 数日で破損 | 5本指構造 | 足指の相性と靴の幅が重要 |
| Smartwool Hike Classic Full Cushion Crew | 約500mile | 毛玉は多いが使用継続 | 今回の中で最も好み | 暖かさ・フィット・臭いへの強さが好印象 |
| Darn Tough メンズ マイクロクルー ミッドウェイトクッション | PCTシエラ以降約2,000mile、3足 | 個体によって約600~1,000km程度で交換 | 快適性・耐久性のバランスが良い | 現在のメイン |
| MIYAGEN LW セパレートドライソックス | 試用 | — | 自分には少しきつい | 5本指の足幅問題を考えた構造が特徴 |
この経験から、僕が重要だと思ったのは最初に紹介した五つの項目でした。
厚みは「薄ければ軽い」で決めない
登山用靴下には薄手・中厚手・厚手などがあります。僕は長距離を歩く場合、基本的に中厚手を選びます。3シーズンなら中厚手、冬ならさらに厚手。このくらいの考え方です。
薄手の靴下が悪いという意味ではありません。日帰り登山や、トレランシューズなど足元が軽い装備なら、薄手の靴下が合うこともあります。ただ、長距離を歩く場合、僕は薄手を積極的に選ぶ理由をあまり感じませんでした。
長時間歩けば靴下も消耗します。薄い生地は破れやすく感じますし、僕自身は中厚手くらいのほうが足裏の感覚も扱いやすい。
靴下は厚い方がいいのか?
残念ながらそう簡単ではありません。厚ければ厚いほどいいわけでもありません。靴下を厚くすると、その分だけ靴の中のスペースが狭くなります。特に注意したいのが、薄手の靴下を前提に靴を選んでしまった場合です。
「普段は薄手だから」と靴をぴったりのサイズで選んだあと、長期縦走で中厚手の靴下に変更すると、足先が窮屈になることがあります。厚手の靴下は使用できない事も………。靴と靴下は別々ではなく、セットで考えたほうが失敗しにくいです。
素材はメリノウールだけが正解ではない
登山用靴下ではメリノウールがよくすすめられます。僕自身もメリノウールの靴下を長く使っています。ただし、「メリノウールだからマメができない」とまでは考えていません。
2022年にCamino de Santiagoを歩いた203人を調べた研究では、濡れた靴下で歩くことはマメの発生リスク上昇と関連していました。一方、天然繊維と化繊の割合そのものは、マメの有無と関連していませんでした。
つまり、靴下選びで素材だけに注目するより、足が濡れた状態を長時間続けないことのほうが重要になる場面があります。僕がメリノウールを好む理由は、快適性と臭いです。
メリノウールは確かに快適で臭わない
長距離を歩くと、靴下は毎日洗濯できるとは限りません。そのため、僕にとってはメリノウールの扱いやすさが大きなメリットでした。ただし、ウールの割合が高ければ高いほどいい、と単純には考えていません。
実際に使ってみると、Smartwoolではかなり毛玉ができました。素材の違いだけでなく、編み方や混紡、厚み、足との相性まで含めて考えたほうがいいと思っています。ある程度、化学繊維が入っている方が、耐久性は高いと思います。
丈は「靴の履き口より上」を基本にする
丈については、僕は迷ったら踝より上を選びます。特に登山靴の場合、靴の履き口が当たる位置より靴下が下に入り込んでいると、そこが擦れる可能性があります。長いソックスまで必要だとは思っていません。
僕なら、踝より少し上からふくらはぎ下部くらいまであれば十分です。冬は防寒目的で長めを選ぶ余地がありますが、3シーズンの一般的な登山なら、必要以上に長くする必要はないと考えています。
5本指ソックスは「マメ対策」だけで考えない
5本指ソックスには、指同士が直接擦れにくくなるというメリットがあります。ただ、僕は「登山なら5本指」という考え方にはしていません。僕自身は5本指ソックスが好きです。
特に僕の足は、中指から小指あたりが互いに当たりやすく、長時間濡れた状態になったり、靴の中で窮屈になったりすると、爪が隣の皮膚に当たって痛くなることがあります。
そういう足なら、指同士を分ける構造には意味があります。一方で、5本指ソックスにも問題があります。指の間に生地が入ることで、普通の靴下より足の横幅が広がることがあります。
僕自身も、5本指ソックスを履くと靴の中が窮屈になってしまうため、最終的には使わなくなりました。つまり、5本指ソックスが合うかどうかは、靴の幅と自分の足の形まで含めて判断したほうがいいです。
なお、5本指構造についてはメーカー側も、指同士の摩擦を減らすことをメリットとして説明しています。ただし、それをすべての人のマメ予防につながると一般化するのは避けたほうがいいでしょう。
「5本指だけど足幅を広げない」という選択肢もある
5本指ソックスの構造が気になる人には、少し変わった選択肢もあります。僕が見つけたのが、MIYAGENの「LW セパレートドライソックス」です。一般的な5本指ソックスは指と指の間に生地が入りますが、MIYAGENは指の間を1枚の仕切りで分ける独自の「セパレート構造」を採用しています。
メーカーによれば、一般的な5本指ソックスより指の間の生地を薄くすることで、足幅が広がりにくい構造になっています。僕自身もこの構造は面白いと思っていますが、実際に履いてみると僕には少しきつく感じました。
だから、これも「誰にでもおすすめ」という話ではありません。足の形に合う人なら面白い選択肢だと思います。
6000km以上歩いて実際に使った登山用靴下を比較

ここからは、僕が実際に使った靴下について書きます。靴下の耐久性は、歩く距離だけでなく、体重、荷物、靴、歩き方、路面などによって大きく変わります。
そのため、以下はあくまで僕自身の使用条件での結果です。
モンベル KAMICO Trekking Socks
KAMICO Trekking Socksは、山の中で約50km使用しました。そのときはトレーニング目的で、常時20kg程度の荷物を背負っていました。山道を中心に歩いていたのですが、最終的には母指球の裏側に大きな穴が開き、そのまま捨てました。
ただ、この結果だけを見て「KAMICOは耐久性が低い」と判断するのは早いと思っています。当時はトレランシューズに履き替えたばかりで、歩き方もまだその靴に慣れていませんでした。自分では、足先に力が集中するような歩き方になっていたことも、破損の原因の一つだったと考えています。
つまり、靴下だけではなく、「20kgの荷物+山道+トレランシューズ+慣れていない歩き方」という条件が重なっていました。履き心地については、少し蒸れる、少しズレる、少しきついという印象でした。
快適性は高いとは感じませんでしたが、肌触り自体は嫌いではありませんでした。他の靴下のように柔らかく足を包み込む感じではなく、サラッとした感触で、履いたときの感覚はむしろ好みでした。
モンベル WIC. Trekking Socks
WIC. Trekking Socksは、さらに極端な結果になりました。一回の使用で穴が開いてしまいます。そのときは少し窮屈に感じており、親指の爪も靴下に少し干渉している感覚がありました。
その状態で標高差500mほどを下ったところ、靴下がダメに。これも「1回で破れたから、この靴下は悪い」と単純には評価はできません。むしろ僕がこの経験から強く感じたのは、靴下のサイズ感や足との相性は、耐久性にも影響する可能性があるということです。
- 靴下が少しきつい。
- 爪が当たる。
- その状態で長い下りを歩く。
こうなると、特定の場所に負荷が集中します。登山用靴下を選ぶときには、素材や厚みだけでなく、「履いたときにどこか無理をしていないか」も確認したほうがいいと思います。
Injinji Trail Midweight Mini-Crew
InjinjiのTrail Midweight Mini-Crewも使いました。この靴下では、約20kgの荷物を背負い、1日30km程度歩いていたとき、数日で破損しました。
当時はトレランシューズを使っており、長距離を重い荷物で歩いていました。そのため、通常の登山で同じ結果になるとは考えていないです。僕にとっては「5本指だから快適」というより、5本指構造には足の形と靴との相性がかなり重要だと感じたいい経験です。
Smartwool Hike Classic Full Cushion Crew
Smartwool Hike Classic Full Cushion Crewは、今回試した中でも履き心地が特に良かった靴下です。
約500mile使いました。かなり毛玉ができましたが、それでも使い続けることができ満足ですね。砂が靴の中に入った状態で歩くこともありましたが、すぐに使えなくなるような弱さは感じません。
暖かさがありながら乾きもそこまで悪くなく、臭いについても比較的優秀です。ただし、3日ほど履き続けると、さすがに臭いはかなり気になりました。幅や足へのフィット感も僕には合っていてSmartwoolを履いている間にマメや靴擦れで困った記憶はありません。
一番の不満は毛玉です。それを除けば、履き心地については今回使った靴下の中で一番好きでした。
Darn Tough メンズ マイクロクルー ミッドウェイトクッション
現在、僕がメインで使っているのがDarn Toughです。PCTではシエラ以降の約2,000mileを、3足のDarn Tough メンズ マイクロクルー ミッドウェイトクッションで歩きました。
ここは通常の登山で数回使ったという話とは少し違います。数千km単位のロングトレイルで、実際に継続して使った結果です。僕の場合、Darn ToughはSmartwoolほど乾きやすいとは感じませんでした。
それでも履き心地がよく、化繊の靴下より自然な感じがあります。メリノウールを使った靴下なので、臭いが完全になくなるわけでもありません。
耐久性については、僕の場合、個々の靴下がだいたい600〜1,000km程度でダメになることがありました。ただし、PCTでは3足をローテーションして約2,000mile使用したため、基本的に一足1000km程度であると思っています。
ダーンタフは生涯補償
Darn Toughを選び続けている大きな理由の一つが、生涯保証です。現在のDarn Tough公式情報でも、対象製品について無条件の生涯保証を掲げています。また、今回使用したMicro Crew Midweight系は、ハイキングブーツやハイキングシューズとの組み合わせを想定した中厚手モデルです。
僕の場合、靴下は消耗品です。だからこそ、ある程度使い込んでダメになったときの保証があることは、長距離を歩く人間にとってかなり大きいと感じています。
登山用靴下は何が正解?マメ・汗・素材・5本指を科学的に考える

ここまで書いてきた内容は、僕が6,000km以上歩いてきた中で感じたことが中心です。ただ、個人の体験だけで「この靴下が正解」と決めることはできません。
例えば僕はDarn Toughを長距離で使いやすいと感じていますが、それだけで「メリノウールの靴下がマメを防ぐ」とは言えません。では、実際の研究では登山用靴下について何が分かっているのでしょうか。
靴下選びの現実
様々な意見や考え方があるが、調べた限りあまり確実に「これが正解」と言えることはありません。
| よく言われること | 実際のところ |
|---|---|
| メリノウールならマメができにくい | 素材だけでマメの発生を説明する根拠は弱い |
| 5本指ならマメを防げる | 指同士の摩擦を減らす構造上のメリットはあるが、万人に有効とは言えない |
| 厚手の靴下ほどマメに強い | 厚さだけで決まらず、靴とのフィットや摩擦も重要 |
| 吸汗速乾ならマメを防げる | 足が濡れた状態を避けることには意味があるが、靴下の素材だけで決まらない |
| 登山靴なら厚手の靴下が正解 | 靴との組み合わせ次第。厚すぎれば圧迫につながる |
| 靴下は柔らかいほど快適 | 柔らかさだけでなく、ズレ・圧迫・摩擦・フィットが重要 |
| 靴下がズレると問題になる | ズレは摩擦につながるため、フィットは重要 |
| ウールは乾きにくいから登山には不向き | 一概には言えない。素材だけでなく厚みや構造、環境によって乾燥性は変わる |
登山のマメは「靴下の素材」だけで決まらない
化学繊維の靴下でも、メリノウールの靴下でも、混合でも。使い方を間違えると、確実に豆はできますし、靴があっていなければ豆ができます。重要なのは「豆ができたから素材が悪い」と決めつけない事です。
豆の原因に関して、少しだけ分解して考えていきます。
マメの大きな原因は摩擦と足の環境
登山でできるマメは、靴下の素材だけで発生するものではありません。靴と足、靴下と足の間で繰り返し摩擦が起こり、そこに圧力や湿気、長時間の歩行などが加わることで問題が起こります。
実際、アウトドア活動における足の摩擦水疱について調べた2017年のシステマティックレビューでは、靴下・制汗剤・バリア用品などによる予防方法について研究されています。しかし、研究数や方法の違いが大きく、靴下について高品質なエビデンスはまだ十分ではないとされています。
つまり、「この素材の靴下ならマメを防げる」というほど単純な話ではありません。
僕自身、いろいろな靴下を使ってきましたが、この研究結果を見ると「靴下そのもの」だけで判断しなかったほうがいい、という感覚には納得できます。
靴下が濡れている状態には注意したい
一方で、比較的はっきりした研究結果もあります。2022年にCamino de Santiagoを歩いていた203人のハイカーを対象にした研究では、68.5%に足のマメが確認されました。そして、濡れた靴下で歩いていた人は、乾いた靴下の人と比べてマメが発生するリスクが1.94倍高かったと報告されています。
この研究では、靴下の天然繊維・化繊の割合そのものは、マメの発生と関連していませんでした。もちろん、この研究だけで「濡れた靴下なら必ずマメができる」と言えるわけではありません。調査対象はCamino de Santiagoを歩いていたハイカーであり、すべての登山環境にそのまま当てはまるわけでもありません。
それでも、長距離を歩く人にとっては参考になります。僕が雨の中を歩くときに靴下が濡れることを嫌うのも、単なる「なんとなく嫌」という話ではなく、足の環境を考えれば理にかなった部分があります。
メリノウールと化繊はどちらが正解なのか
この思想は危険で、先ほども紹介したが「素材だけ」で考えるのは危ないです。個人的には混合が好きですが、肌触りでメリノウール。乾きの良さで化繊を選ぶ人もいます。乾燥していることが重要なので、化繊の方がよいと思われるのですが、実際に聞いてみるとメリノウールの靴下も人気です。
「メリノウール=マメ予防」とは考えない
登山用靴下ではメリノウールがよく使われます。実際、Smartwoolなどの登山用ソックスでもメリノウールを主要素材として使用しています。現在のSmartwool Hike Classic Edition Crewでは、モデルによってメリノウールを66~70%程度使用しており、Full Cushionは中厚手として位置づけられています。
メリノウールには、温度調整や臭いへの強さなど、長時間履くうえで魅力的な特徴があります。ただし、「メリノウールだからマメができにくい」とは言えません。
先ほどの203人のハイカーを対象にした研究では、天然繊維と化繊の割合そのものとマメの発生には関連が確認されませんでした。そのため、素材選びでは「マメを防ぐ素材」というより、
- 肌触り
- 暖かさ
- 蒸れ
- 臭い
- 乾きやすさ
- 耐久性
- 自分の足との相性
などをまとめて考えたほうが現実的です。
化繊だから悪いわけでもない
化繊にも吸汗・速乾性などを狙った製品があります。実際、Injinjiもメリノウールだけでなく、CoolMax系の化繊素材を使った製品を展開しています。メーカー自身も、5本指構造と吸汗性をマメ対策の特徴として説明しています。
ただし、ここもメーカーの説明と医学的な研究結果は分けて考える必要があります。
「この素材だからマメが防げる」と考えるより、足をできるだけ快適で乾いた状態に保ち、摩擦や圧迫を減らすという考え方のほうが応用しやすいでしょう。
5本指ソックスは指同士の摩擦を減らせることには意味がある
5本指ソックスの分かりやすいメリットは、指と指の間を分けられることです。通常の靴下では、隣り合った指同士が直接接触することがあります。5本指ソックスなら、それぞれの指を個別に包むため、メーカーは指同士の摩擦を減らせることをメリットとして挙げています。
これは構造上理解しやすいメリットです。
ただし、「5本指ならマメができない」というところまで研究で証明されているわけではありません。2017年のシステマティックレビューでも、アウトドア活動における靴下によるマメ予防について、高品質な研究は十分ではないとされています。
したがって、5本指ソックスは「マメを完全に防ぐ道具」ではなく、指同士が擦れやすい人が試してみる選択肢と考えるのがよいでしょう。
5本指ソックスにも「靴との相性」がある
5本指ソックスは、指の間に生地が入ります。そのため、通常の靴下と比べて足の前側の収まり方が変わります。僕自身は5本指ソックスを履くと靴の中が窮屈になり、最終的には使わなくなりました。
一方で、MIYAGENのセパレートドライソックスのように、指の間に入る生地を1枚の仕切りにすることで、一般的な5本指ソックスより足幅が広がりにくい構造を採用した製品もあります。メーカーは、指同士の摩擦や蒸れを抑えることを狙った構造だと説明しています。
僕には少しきつく感じましたが、こうした製品が登場していること自体、5本指ソックスでは「指を分けること」と「靴の中で足を広げすぎないこと」の両立が一つの課題になっていることを示しています。
登山用靴下の厚みは靴とのフィットで決める
厚手の靴下にはクッション性や暖かさというメリットがあります。一方で、厚くするほど靴の内部スペースを使います。そのため、靴を薄手の靴下に合わせて選んだあと、中厚手や厚手の靴下に変更すれば、足先や甲が窮屈になることがあります。
逆に、靴の内部に十分な余裕がある場合は、厚手の靴下が快適になることもあります。つまり、「登山=厚手」ではなく、「その靴に合う厚み」が正解です。僕自身は長距離では中厚手を基本にしていますが、これは6,000km以上歩いてきた自分の装備選択です。
読者が同じ厚みを選べば必ず快適になる、という意味ではありません。
結局、登山用靴下で重要なのは「素材」より足との組み合わせ
ここまで研究や一般的な情報を見ていくと、僕自身の経験も少し違った角度から見えてきます。登山用靴下選びでは、「素材 → 厚み → サイズ」という順番だけで考えるより、「足の形 × 靴 × 靴下 × 歩き方 × 環境」という組み合わせで考えたほうが実際のトラブルを減らしやすいと思います。
そして、長距離を歩くなら、靴下そのものよりも「濡れた状態を長時間続けない」「窮屈にならない」「ズレや摩擦が起きていないか確認する」といった基本的なことのほうが重要になる場面もあります。僕が最終的にDarn Toughの中厚手を選んでいるのも、「メリノウールだから絶対に正しい」という理由ではありません。
PCTの約2,000mileで実際に使い続けられ、自分の足と靴との組み合わせで快適だった。それが、僕にとっての選択理由です。登山用靴下を選ぶときは、ネットで「おすすめ」とされている製品をそのまま選ぶのではなく、自分の靴と足に合わせて考えること。
それが、6,000km以上歩いてきた僕が、研究結果も踏まえて現在考えている靴下選びです。
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