登山ザックの選び方|容量・背面長・重量を6000km歩いた僕が解説

知識や経験
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登山用のザックを選ぼうと思っても、「20Lと30Lはどっちがいい?」「日帰りなら何L必要?」「テント泊なら60L?」「同じ30Lなのに、なぜこんなに値段が違う?」「背面長って何を見ればいい?」と迷う人は多いと思います。

僕も登山を始めたころは、ザックの容量とデザインくらいしか見ていませんでした。でも、これまでPCT約4,200kmを含めて6,000km以上を歩いてきて、ザックについて強く感じるようになったのは、「何Lあるか」だけで選んではいけないということです。

ザック選びでは、まず自分の山行に必要な容量を決め、そのうえで背面長や背負い心地、ザック自体の重量、荷物を入れたときの安定感を確認する必要があります。

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結論、ザックの選び方

今回、僕がザックを選ぶ際に重要視していることを順番に紹介します。ここに費用も入ってきます。実際には、対費用効果を商品ごとに考えて購入していきます。

順番確認すること考え方
1山行スタイル日帰り・小屋泊・テント泊など
2必要な容量荷物が無理なく収まるサイズ
3背面長自分の体に合っているか
4背負い心地肩・腰などに荷重が偏らないか
5ザック本体の重量必要以上に重くないか
6機能・収納自分の使い方に必要か
7試着実際の荷物に近い重さで確認

この記事では、特に迷いやすい「容量」と「背面長」を中心に、登山用ザックの選び方を僕の経験から紹介します。

登山ザックは何Lを選べばいい?

最初に一番気になる容量から説明します。大まかな目安を作るなら、僕は次のように考えます。

山行容量の目安
低山・短時間の日帰り15〜25L
一般的な日帰り登山20〜30L
荷物の多い日帰り・冬の日帰り25〜35L
山小屋1泊30〜40L
山小屋泊の縦走35〜50L
テント泊45〜60L
長期縦走・ロングトレイル50〜70L以上

ただし、これはあくまで目安です。同じ「日帰り登山」でも、夏と冬では必要な荷物が違います。それに、近年のUL化の影響でテント泊でも30Lで行う方も少なくはありません。

サイズは自分の装備で最終判断する

夏なら防寒着が薄くても済みますが、秋冬になればフリースやダウンなどが増えます。水を多く持つ山なら、その分だけ容量が必要になります。カメラを持っていく人なら、カメラやレンズの分だけ荷物が増えます。

逆に、装備をかなり軽量化している人なら、テント泊でも小さなザックに収められる場合があります。だから、「日帰りだから30L」と決めるより、「自分が持っていく荷物を全部入れると何L必要なのか」から考えたほうが失敗しにくいです。

ザックは「大きければ安心」ではない

ザック選びでは、「大は小を兼ねる」と考えて大きめを選びたくなることがあります。僕も以前はそう考えていました。でも、実際に長距離を歩いてみると、大きすぎるザックにも問題があります。

まず、ザックそのものが重くなりやすい。そして荷物が少ない状態で大きなザックを使うと、内部に空間が余ります。荷物を適当に入れれば、中で荷物が動いてしまいます。山では歩くたびにザックも動きます。

特に岩場や急斜面などでは、荷物の揺れが気になることがあります。さらに「まだ入るから」という理由で、必要のない荷物まで入れてしまいやすい。これは僕自身にもありました。

ザックに余裕があると、「一応これも持っていこう」となります。そして少しずつ荷物が増えていきます。だから僕は、必要な荷物が無理なく収まる、できるだけ小さな容量を基本にしています。

ただし、無理に小さくする必要もありません。「軽量化のために30Lにしたけど、荷物がパンパンで取り出しにくい」という状態なら、それも使いにくいザックです。

容量は「小さければ正解」ではなく、必要な荷物を余裕を持って収納できることが重要です。

日帰り登山なら20〜30Lが使いやすい

日帰り登山であれば、20〜30L前後が一つの基準になります。最低限必要になるものを考えてみます。

  • レインウェア
  • 防寒着
  • 水
  • 行動食
  • 昼食
  • ヘッドライト
  • 地図・スマートフォン
  • ファーストエイド用品
  • エマージェンシー用品
  • 財布などの貴重品

さらに季節によっては、手袋や帽子なども必要になります。これらを考えると、極端に小さなザックでは余裕がなくなることがあります。一方で、日帰りなのに50〜60Lの大型ザックを使う必要がある人は、それほど多くありません。

僕なら、一般的な日帰り登山を中心にするなら25〜30L前後を一つの候補にします。ただし、冬山や荷物の多い登山を想定するなら、もう少し余裕を持たせます。

山小屋泊なら30〜40L前後

山小屋泊になると、日帰りより荷物が増えます。着替えや防寒着、洗面用品などが増えるからです。ただし、テントや寝袋、マットを持っていく必要がないので、テント泊ほど大きなザックは必要ありません。

そのため、30〜40L前後が一つの目安になります。ここでも重要なのは、何泊するかだけではなく、何を持っていくかです。同じ1泊でも、荷物を軽量化している人と、着替えやカメラなどをたくさん持っていく人では必要な容量が変わります。

テント泊なら45〜60L前後が候補

テント泊になると、必要な荷物が一気に増えます。

  • テント
  • 寝袋
  • マット
  • 調理器具
  • 燃料
  • 食料
  • 水
  • 防寒着
  • レインウェア
  • その他の登山装備

さらに泊数が増えれば食料も増えます。そのため、テント泊では45〜60L程度のザックが候補になります。僕自身もロングトレイルでは大型ザックを使ってきました。特にPCTのような長期間歩く環境では、テントや寝袋だけでなく、数日分の食料や水まで背負うことがあります。

こうなると、単純に「ザックが軽い」というだけでは快適にはなりません。荷物を入れた状態で安定して背負えることのほうが重要になってきます。僕がモンベルのアルパインパック60を長期間使ってきたのも、まさにこの部分を重視していたからです。

実際に6000km以上使った経験については、別の記事で詳しく紹介しています。

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ロングトレイルでは「容量」だけでなく補給計画も考える

長期縦走やロングトレイルになると、ザックの容量を「何泊するか」だけで決められなくなります。重要なのが、次に補給できる場所まで何日・何kmあるかです。例えば食料を毎日補給できる環境なら、大型ザックは必要ありません。

逆に、数日間補給できない区間があるなら、食料と水の分だけ容量が必要になります。僕がPCTを歩いたときも、区間によって必要な荷物量が大きく変わりました。つまり長距離を歩く場合、ザックの容量=泊数ではありません。

ザックの容量=その区間で運ぶ荷物の総量

と考えたほうが分かりやすいです。

容量が決まったら「背面長」を見る

容量を決めたら、次に確認したいのが背面長です。ここは初心者の人ほど見落としやすい部分だと思います。同じ30Lのザックでも、背面のサイズや構造は同じではありません。自分の体に合っていないザックを背負うと、肩や腰などに荷重が偏ることがあります。

登山用ザックは、単純に肩だけで背負うものではありません。ショルダーハーネスやヒップベルトなどを使って、荷物を体に安定させます。そのため、容量が合っていても、体に合っていなければ快適とは限りません。

僕自身、ザックを選ぶときには容量だけでなく、この背負ったときの感覚をかなり重視しています。背面長の測り方については別記事で詳しく解説しているので、実際にサイズを選ぶ場合はこちらも参考にしてください。

背面長は「身長だけ」で決めない

「身長が180cmだからLサイズ」のように考えたくなりますが、身長だけで決めるのはおすすめしません。人によって胴体の長さは違うからです。

ザックのサイズ表を見ると、身長ではなく「背面長」や「トルソーサイズ」などで適合範囲が設定されていることがあります。その場合は、メーカーが指定している方法で自分の背面長を確認します。

そして、可能であれば実際に試着します。特に大型ザックになるほど、背面長の違いは無視しにくくなります。

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ザックは実際の荷物を入れて試す

僕がザックを購入するときにおすすめしたいのが、空のザックだけで判断しないことです。店頭で背負ったときに軽く感じても、本番では数kgの荷物を入れるからです。できれば店舗で重りを入れてもらい、実際に近い状態で背負ってみてください。

  • 肩だけに重さが集中していないか
  • ヒップベルトが自然な位置にくるか
  • 背中に無理な圧迫感がないか
  • 歩いたときにザックが左右に揺れないか
  • 首や肩を動かしにくくないか
  • 荷物を入れた状態でも違和感がないか

単純に、「軽い」「柔らかい」「人気がある」だけでは判断しません。自分の体に荷物を載せたときにどう感じるかを見ることが大切です。

ザック本体の重量も確認する

容量と背面長の次に見ておきたいのが、ザック自体の重量です。同じ容量でも、製品によって重量はかなり違います。例えば、「軽量化したいから軽いザックを選ぶ」という考え方は間違っていません。

ただし、僕は軽ければ軽いほど良いとは考えていません。軽量化されたザックは、フレームや生地、ベルトなどが簡素になっている場合があります。反対に、大型でしっかりしたフレームを持つザックは、ザック自体が重くなる代わりに、荷物を背負ったときの安定感を重視していることがあります。

だから、ザックの重量だけで比較しないことをおすすめします。重要なのは、「自分が運ぶ荷物に対して、そのザックの重量と構造が適切か」です。

重い荷物を背負うなら、軽量ザックにこだわりすぎない

これは長距離を歩いてきて特に感じる部分です。例えば、ザック自体を500g軽くできたとしても、荷物そのものが15kg、20kgと増えれば、ザックの重量だけを見ても快適さは決まりません。

むしろ重い荷物を安定して支えられる構造のほうが重要になる場合があります。僕自身、PCTのような長距離では、ザックの軽さだけではなく、荷物を入れた状態で長時間歩けるかを重視してきました。

だから「最軽量」という理由だけでザックを選ぶことはありません。

ヒップベルトは必ず確認したい

大型ザックを選ぶ場合、ヒップベルトも重要です。特に荷物が重くなるほど、ザックを体に固定できることが重要になります。ただし、ヒップベルトが付いていれば何でもいいわけではありません。

実際に締めたときに、

  • 骨盤周辺に自然に収まるか
  • 締めても痛くないか
  • 歩いたときにずれないか
  • ザックが体から離れすぎないか

などを確認します。ここもやはり、実際に荷物を入れてみないと分かりにくい部分です。

ポケットの多さだけで選ばない

登山ザックには、サイドポケット、フロントポケット、ヒップベルトポケット、雨蓋など、さまざまな収納があります。これも多ければ良いわけではありません。僕は長距離を歩くとき、歩きながら頻繁に使うものを取り出しやすいことを重視しています。

水、行動食、レインウェア、地図、スマートフォンなどです。逆に、ほとんど使わないものを入れるためのポケットが大量についていても、僕にとっては大きなメリットにはなりません。

ザックを選ぶときは、「ポケットが何個あるか」ではなく「自分は何をどこに入れるのか」から考えると選びやすくなります。

雨蓋が必要かどうか

雨蓋についても好みが分かれるところです。雨蓋があると、小物を収納しやすく、ザック上部を覆えるメリットがあります。一方で、ロールトップなど雨蓋を持たない構造のザックもあります。

僕自身はロングトレイルを歩いてきたので、アクセス性と防水性、荷物量とのバランスを考えて選びます。ここも、「雨蓋があるほうが上」とは一概には言えません。自分の使い方に合っているかで決めればいいと思います。

1つだけ買うなら何Lがいい?

「登山を始めたばかりで、ザックを1つだけ買いたい」という人もいると思います。この場合、僕なら30L前後を最初の候補にします。日帰り登山に使いやすく、荷物を増やせば山小屋泊にも対応しやすいからです。

ただし、「将来テント泊をしたいから60Lを買っておこう」という選び方には少し注意が必要です。今の日帰り登山で荷物が少ないのに60Lを背負えば、ザック自体も大きくなります。

将来のためだけに大きなザックを買うより、今の自分が最も多く行う山行に合わせるほうが、使用頻度は高くなると思います。

日帰り30Lザックに関して

僕は30Lのザックも所有しています。メイン使用は1泊程度の登山から日帰り登山です。日帰りでの使用では、正直なところ「デカい」と感じる事があります。ロングトレイルを始める以前は「ピッタリ」と感じていました。この差は、荷物が小さくなったことと、必要不要の判断がハッキリしたというのもあります。

60Lのザックは大きすぎる?

僕は60Lのザックも使っています。モンベルのアルパインパック60は、PCTを含めて長距離で使ってきました。だからこそ言えますが、60Lという容量自体が大きすぎるわけではありません。

重要なのは、60Lが必要になる荷物を持つかどうかです。テント、寝袋、マット、食料、水などを大量に持つなら、60Lが便利な場面があります。

一方で、日帰り登山で必要な荷物しか持たないのであれば、60Lは必要ないでしょう。つまり、「何Lが優れているか」ではなく、「自分の荷物に何L必要か」という話です。

70Lのザックは使い所を悩む

旅のやり方次第ですが、70L+10Lのザックを使用していました。ハッキリ言うと、糞デカくて使い勝手は悪い、です。日本国内の移動はしずらく、特に電車やバスでの移動で気を遣う事が多かったです。日本国内の満員電車では、正直なところ扱いに困りました。

登山での使用に関しては、十分以上のサイズです。正直な所、重たく嵩張る様な装備でも何も気にせずパッキングして一週間分の食料を難なく運搬できます。これは大きなメリットです。腰荷重がしっかりと可能なザックを選ぶ必要はあります。しっかりとフィッティングをしておきましょう。

僕がザックを選ぶときの基準

6000km以上歩いてきた僕が、今ザックを選ぶなら、次の要点を確認します。

確認項目僕が見るポイント
容量必要な荷物が余裕を持って入るか
背面長自分の体に合っているか
背負い心地肩・腰などに負担が偏らないか
重量必要以上に重くないか
フレーム荷物の重量に耐えられる構造か
ヒップベルト荷物を安定させられるか
ポケット必要なものを取り出しやすいか
防水性雨への対策が自分の用途に合っているか
耐久性自分の使用頻度に耐えられるか
価格使用頻度や耐久性に見合っているか

そして最後に、実際に荷物を入れて背負う。ここまでやってから購入します。

登山ザック選びで迷ったら、この順番で考える

僕は6,000km以上歩いてきましたが、ザック選びで大切なのは「有名なザックを買うこと」ではないと思っています。大切なのは、自分が何を背負って、どこを歩くのか。

そこから逆算してザックを選ぶことです。そうすれば、「何Lを選ぶか」から「実際にどのザックを選ぶか」まで判断できるようになると思います。

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